1月号の近詠作品からの鑑賞を堺番傘川柳会の岩田明子さんにお願いしました。
○大吉を十二ヶ月に分けておく 小林ふく子
十二に分けておくという発想が面白い。ささやかな幸せでいいのです。良い一年でありますように。
○ありがとう隙間を埋めてくれる友 朝倉 立子
傷ついた時、心が満たされない時、寂しい時、いつでもそっと寄り添ってくれる友がいる。何にも言わないけれど傍にいてくれるだけでほっとする。
○待ってたと言えず今来たばかりなの 石黒 石根
根が生えてしまいそうなくらいずっと待ち続けていたのに待ち人が表れたとたんそんなことは噯にも出さずにっこりする。相手を気遣う気持ちに優しさが溢れている
○豚汁が決め手ハートに浸みたっけ 小柳津優子
その昔は煮ころがしと相場がきまっていたけど豚汁とは。温かい料理でハートを釣上げましょ。
○ダブついたマスク買い手を探してる 須﨑 洋子
マスク不足で値段が吊り上がったあの頃。手作りマスクが活躍した。でも今は店頭にも溢れている。コロナ禍には必需品。早く収束してくれますように。
○ひとつ聞きひとつ忘れているスマホ 竹本カヲル
アナログ派にとっては身につまされる。その時は解ったつもりでもやっぱり身についていなかった。覚えようと懸命なのに頭は言うことを聞いてくれない。
○生命線伸びろ伸びろと散歩する 山井十文字
巣ごもりが続きすっかり筋肉が衰えてしまった。体も重い。一念発起ウォーキングを始めた。犬を連れた人、走っている人、みんな思いは同じなんだな。
○何もないそれがしあわせかも知れぬ 山田 優
自由に外出さえ出来なくなったこの一年、こんな日がくるとは想像もしてなかった。多くは望むまい。平凡な日日のありがたさを噛みしめている。
○座ったら立たねばならぬ拗ねる膝 鈴木 順子
布団から出る時もドッコイショ。日に何度言うやら。うっかり立とうものなら蹴躓き骨折なんてこともある。ご用心。ご用心。
○昼寝すりゃいいと眠れぬ夜を明かす 寺部 水川
真夜中に目が覚める。ラジオ深夜便も眠り薬になってくれぬ。焦るまい。どうせ予定もないんだし朝寝したっていいんだし昼寝という手もある。
○范茫とコロナウイルス衰えず 戸沢ほたる
いつになったら安心して暮らせる日がくるのだろう。先が見えない。疲れも限界にきた。
○すだちの香目刺しが格をグンとあげ 青嶋由紀美
大根おろしも用意した。けれど高値の秋刀魚には手が出ない。目刺しにすだちを添えてみた。美味だった。
明子さん、歯切れの良い鑑賞を3ヶ月間有り難うございました。2月号からの鑑賞は、タイトル『好句往来』を考えて下さった、めいばんの近藤塚王さんにお願いしました。新生豊橋番傘時代にお世話になりした。
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