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忙中閑にというか、今ふっと今月は『好句往来』をアップしていない、と気付きました。
追う、ではなく、追われている、証拠だね(笑)
10月号の近詠作品の中からの鑑賞を、時の川柳社の、矢沢和女さんにお願いしました。
〇 ふところの直球ずばり見透かされ   齋藤 勝己
 今更、性格を変えようと努力しても出来るものではない。一直線に生きてきたことを誇りに思いたい。空振りの三振も多い三振王だけれど、それも誇り。
〇 捨てて悔い父の遺品の将棋盤     高橋 良子
 なかなかはかどらない終活は重要な作業だ。母同様だった母の末妹が先日急逝した。独身で独居だった。只今、山積みの想い出の品々の片付けの真っ只中だ。思い切りが悪く捨てきれない。後悔のないようにしたい。
〇 ポケットの小銭が僕に意見する    田中 豊泉
 父のポケットの中にはいつも小銭が入っていた。スリル満点のポケットだった。私はそれを時々拝借していた。そのことを父は知っていて小銭を入れてくれていると気付いた以後、ポケットの中を探さなくなった。随分昔のことだ。
〇 なぞ解きは死ぬまで続く好奇心    村田 菊子
 若さのバロメーターは好奇心である。いつまでも好奇心となぞ解きは喪わず、過したい。
○ 思い出を開けては閉めて雨になる   小柳津優子
俳句の「雨」は、空から降る天候の雨である。しかし川柳の「雨」となれば心情的な雨であり、心が晴れず哀しみの涙なんでしよう。作者は思い出に浸って泣き崩れることが度々おありなのでしょう。どうか涙の乾くまで・・・・。
〇 ブレーキを掛けてはならぬ今が旬   鈴木 順子
 キラキラと輝いている若人を見ると羨ましい。私にもそんな時期があったろうに、その頃は全く意識はなかった。今の若人にエールを送るスローガンでしようか。疾れる所まで疾らんか!いつでも引き返すことは出来る。
○ 現実に引き戻されて旅終わる     郡山 弘子    
空港で搭乗券を手に荷物を預け、手荷物検査所を通過するとなんとなく顔が緩んでワクワクとだらしなくなってくる。しかし、反対に到着の手荷物を受取りロビーに出ると、あーっ!今夜のメニュー?
○ ずいぶんと素直になった白い髪    田口 勝義
○ 老いという見えぬ魔物と競い合う   戸鹿島節子
○ 終章は健忘症が友となる       藤原 緑郎
老いるということは、怖れと不安の未知の世界だ。何があっても不思議ではない。生きてきたように老いてゆくのではないでしようか。ある年齢からだんだん幼児期に戻るといわれている老いは、幼児期に育った環境にかなり左右されるし、また制御されていた感情や行動は制御機能の低下により制御が不可能になる。これからは、生きてきたように死を怖れず、自由に生きざまの人生をエンジョイできればと願っている。
 
和女さん、10日は出会いの機会を作ってくださり有難うございました。とっても満ち足りた時間で、また川柳に出会えたことに感謝しました。忙しい中を有り難うございました。

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