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1月号の『好句往来』は卑弥呼の里川柳会の真島久美子さんにお願いしました。11月号近詠句の中からの鑑賞です。久美子さん忙しいなかを3ヶ月間ありがとうございました。

○愚痴も書き誠も書いた日記帳           脇田 雅美
 ふと「誠」と「真」の違いが気になった。「誠」は「心の底からその気持ちがある」で「真」は「その事実が本当であるかどうかでいえば本当」ということ。結果、愚痴も誠のオブラートにしっかりと包まれているではないか。心の真ん中に誠を置いて生きている人の日記帳。それは「自分史」そのものだと感じる。
○崩れそう心を刺がさしたから           池田登茂子
 「崩れそう」ということは「まだ崩れていない」ということ。大きかろうが小さかろうが刺は刺だ。痛みに慣れて、刺なんか心の一部だと微笑んでみる。崩れてしまうのはきっと、その刺が抜けたときなのだろう。
○風の声信じています耳すます           伊藤紀雍子
 自分を信じている人には聞こえる風の声。目を閉じて耳をすませば、私は私でいていいのだと風が囁く。どんなに傷ついても、その傷は絶対に無駄じゃないのだと思えるように、私ももっと自分を信じてみようと思う。
○塗装屋のチラシばかりがよく入る         小松くみ子
 なんとなく、ただなんとなく寂しい。忙しいつもりだが、チラシをチェックする余裕は十分にある。ワクワクするようなチラシは無いのだろうか。塗装屋さんに塗り替えて欲しいのは、壁ではなく明日なのに。
○原罪は虹を渡った軽はずみ            須﨑 東山
 人類最初の罪はアダムとイブが「禁断の実」を食べたこと。お陰で人間は生まれながらにその罪を背負うことになったのだから迷惑な話である。事の重大さを知らないことは怖いことだ。私だって、禁断の実を食べるだろうし、迷わずに虹を渡るだろう。
○飛ぶ夢を忘れちゃったかカタツムリ        住田勢津子
 カタツムリの夢は走ることだと思い込んでいたが、まさか飛ぶことだったとは驚きだ。人間だって飛べないのに、ちょっと贅沢過ぎないか。「夢はでっかい方がいい」とどこかで聞いた言葉ではあるが、カタツムリに学ぶことは多い。だからこそカタツムリの句も多い。
○いい球を投げ返してる聞き上手          戸鹿島節子
 聞き上手が必要とされる理由は「いい球」を持っているからだ。伸びのいい球や、キレのいい球は「結果と要素」だと言われる。相手がどんなに暴投しても動じない強さは、聞き上手以前に、生き上手の成せる技なのだろう。
○落ちつばき自分のかたち失わず          花井  稔
 「形」「貌」「容」いろんな漢字を使って、視覚的に句の雰囲気を作るが、この句のひらがな書きこそ原点であると感じた。全部ひらがなでも良かったかもしれないと思うほど、句の内容は重たいものだ。自分を失う日まで、鮮やかに生きたいと願う。
○花に埋めて有限無限焼きにいく         やまぐち珠美
 有限と無限はどちらが大きいのだろうか。残されたものは、有限の残酷さに震え、無限の時間へと足を進めるのか。「有限」「無限」という概念の核心は果てがないが、そのジレンマ全てを知った顔は、花の中で静かに微笑んでいる。

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川柳豊橋番傘1月号『好句往来』”にコメントをどうぞ

  1. QAZ on 2017年1月19日 at 9:26 AM :

    私の一番好きな句
    ・いい球を投げ返してる聞き上手
     名投手の陰には必ず目立たない捕手がいる。世は彼を名捕手と感づかない人もいる。聞き上手とは聞くだけでなく会話を含めてのことかと教えていただきました。いい球に学びました。
    次の句
    ・落ちつばき自分のかたち失わず
     私も落ちつばきになって久しいがかくありたいものだ。気品のある句。
    好句往来、久しぶりの名句。

    • 鈴木 順子 on 2017年1月21日 at 7:52 AM :

      QAZさん、初めまして ようこそ (*^_^*)
      節子さんも稔さんも他柳誌へ出句したりとか大会等へ出席するということは、ほとんどないですが、柳歴20年以上のベテラン(?)さんです。
      稔さんは 今 奥様の介護をされていています。
      稔さんの毎月の近詠をPC入力しながら、私たち夫婦もこうありたいと思い、エールしてます。二人に早速報告します。励みになるコメントを有り難うございました。

  2. 久美子 on 2017年1月19日 at 10:48 PM :

    順子さん、お疲れ様です!

    三か月間お世話になしました。
    一番嬉しい図書券も、毎回頂けるなんて思っていなかったので、
    とても嬉しかったです。

    ありがとうございました(*´▽`*)

    • 本多 雅子 on 2017年1月20日 at 12:57 PM :

      久美子さん 三ヶ月間 すてきなコメントで楽しませて頂きありがとうございました!若いのに意表をつく研ぎ澄まされた感性に感動して、はるばる卑弥呼の里誌上川柳大会に投句しました!ご丁寧に年賀状をいただきありがとうございました!一つでも抜けたら嬉しいです!楽しみにしています!

    • 鈴木 順子 on 2017年1月22日 at 2:00 PM :

      久美子さ~ん、
      今年も私卑弥呼にはなれなかったわ、ごめんなさい
      9日「番傘本社おめでとうの句会」で、お父様とお母様にお会いました。
      美味しいものを頂いてルンルン♪ 10日に、長女は甘党じゃないので、事務員さんと「おいしい、おいしい」とペロッと食べちゃいました。ありがとうってお伝えくださいませ(*^_^*)
      東山さんが、こじれた風邪に効く煎じ薬を送ってくれたので真面目に煎じて飲んでます。相変わらず安静にできない日が続いてますが、元気になりつつあります。
      で、今日はデスクワーク、ちょっと息抜きに、また戻ります ガ・ン・バ・ル・ね!

  3. くみ on 2017年1月20日 at 10:32 AM :

    久美子さん 取り上げていただいてありがとうございます❗。 自分の句なのに、自分で 気づいてない 自分の心の底を 言い当てられた 感じがしました。ありがとう❗あぁ 深いところまで 読み取っているんだな と 評から学びました。

  4. なごみ on 2017年1月29日 at 8:22 AM :

    順子さ~んご無沙汰しております。風邪は如何ですか。ご無理なさいませぬように。
    「好句往来」の皆さんの句もいいですね、加えて久美子ちゃんの選評、ほんとうに深く読んでいて表現もよく感銘しました。

    くみさん、いい句ですね。

    • 鈴木 順子 on 2017年1月31日 at 6:00 AM :

      なごみさん、お早うございます。
      風邪は、ぐらぐらしてた前歯を2本抜いたら口の中が健康(?)になったのかな治りました。でも今、仮歯なのでかつれつが悪いです。1カ月したらちゃんと喋れるようになるのかなぁ…って、ちと不安(笑)

      久美子さんの選評には学ぶことばかりだったわ。

      昨日(30日)はくみさんと結構長い時間一緒にいたのに、なごみさんからくみさんへラブレターが届いてるよ、と言うの忘れてしまったわ。ケータイメールはますね。

    • くみ…。 on 2017年1月31日 at 10:15 AM :

      なごみさん ありがとう❗
      目を通しているつもりでも、落として仕舞うこと 多いですね。

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