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12月号の『好句往来』は、卑弥呼の里川柳会の真島久美子さんにお願いしました。
10月号近詠作品の中からの鑑賞です。久美子さん、ありがとうございました。
○割腹し腹黒少し薄くなり           山田ヤマトミ
 私も二十一歳の時に割腹した。卵巣に腫瘍ができていて、そこから大量に出血していたため割腹以外に方法がなかったらしい。一時間半で終わると言われていた手術も、結局四時間半。先生から手術内容の説明を受けたが「綺麗に洗浄したので腹黒さも無くなりましたよ」の言葉に、傷が痛くて笑えなかった。
○「でてこいや」締切間近五七五        あきさくらこ
 笑いが出るほど共感した。元プロレスラーの高田延彦の言葉であるが、本当に句が出てこない時はこう言いたくもなる。逆ギレしても、優しくしても、出てこない時は出てこない。「締切間近」ならいい方だ。私は時々「締切過ぎて」をやってしまう。
○辻褄が合わぬ話も妥協する          安藤 義昭
 物事には道理があり、それが合わないのが人の世かもしれない。一つ一つ辻褄を合わせる作業をしていくと、必ず誰かが傷つく。だったら妥協して流れに身を任せた方が楽ではないか。自分が傷つくことよりも、相手を傷つける方がずっと辛いのだから。
○危うきを好みすぎたの私は          小田はるよ
 なんて魅力的な場所で揺れているのだろう。この句から伝わってくるのは危うい恋の反省よりも、そこから全く動けなくなってしまった自分自身。安心できる場所で満足しないことは自覚している。危うい場所にいるのは、誰かに気付いてもらいたかっただけ。
○満点の星よ飽くなき煩悩よ          河合 正秋
 夜空の美しさが胸に広がる。透き通ってしまいそうな句かと思いきや「煩悩」である。貪 (とん) ・瞋 (しん) ・痴 (ち) は根元的な煩悩として三毒というが、人間とは結局煩悩の塊なのかもしれない。だが、この煩悩こそ愛おしむべきものだと川柳家は知っている。
○落書きの相合傘は晴天だ           佐藤 幸子
 当たり前のことに今気付いた。相合傘は「傘」だ。落書きという一次元、相合傘が入って二次元、晴天になって三次元だと感じる。そしてこの句に触れた読者の胸の中で、一瞬で四次元の世界が作られていくのだろう。想像は、当たり前の事を軽々と超えてくる。
○力瘤みせて恋敵を威嚇            高柳 閑雲
 ホウレンソウを食べて、ブルートに力瘤を見せつけるポパイのようだ。「恋敵」とは面倒な存在ではあるが、その存在こそが恋のパワーに繋がる。閑雲さんのオリーブが誰なのか、後でこっそり聞いてみようと思う。
○流れ星お前も疎外されたのか         花井  稔
 流れ星を見る目が変わった。「星に願いを」という美しい曲もあるが、この句に登場する流れ星は人間の匂いがする。「お前も」ということは「自分も」なのだろう。疎外される淋しさを、星の美しさで割ってみる。答えは自分の中にだけ残される。
○アサリ汁何か辛くて悲しくて         船木 正子
 アサリ汁の香りが口の中に広がった。あの味わい深さの理由は、こんなところにあったのだ。越えなければならない悲しみは淡々とやってくる。何もなかったかのように、何も気付いていないかのように、アサリ汁を吸う。悲しみと向き合う必要なんかない。
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第五回卑弥呼の里誌上川柳大会のご案内です
兼題と選者(各題2句)
「 真 」   森中惠美子 選
「 線 」   大西 泰代 選
「 粒 」   木本 朱夏 選
「 息 」   樋口由紀子 選
「 影 」   赤松ますみ 選
参加費   1000円(切手不可)発表誌呈
締 切   平成29年1月16日(月)(消印有効)
投句先   〒842-0103
      佐賀県神崎郡吉野ケ里町大曲2426-2
      卑弥呼の里川柳会  真島久美子
応募用紙は、PR紙の裏面になってます。国文祭でも配布してましたし、行動力大の久美子ちゃんは、ご自分の足で友好吟社に出掛けられたり、友好吟社さんへ郵送でのお願いをされているかと思います。どうぞ、皆さんご協力ください。

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川柳豊橋番傘12月号『好句往来』&「第五回卑弥呼の里誌上川柳大会」”にコメントをどうぞ

  1. 本多 雅子 on 2016年12月6日 at 9:50 PM :

    順子さん こんばんは! お久しぶりです!好句往来を読み直して、こんなにも豊番の句って魅力的なんだと改めて感心しています!すごい進化していますよね。何か自分の句がありきたりでつまらなく思えてきました!真島久美子さんの鋭い読みが光り一層 句も光りますね!そんな感動で卑弥呼の里に早速投句しました(笑)十二月の句会は投句にしましたが、ぎりぎり間に合えば参上しますので宜しくお願いします!

    • 鈴木 順子 on 2016年12月9日 at 5:15 AM :

      雅子さん、今、蒲郡川柳会の人達から互選課題2句が続々(笑)届いてます。
      皆さん優しくていつもコメントが添えられているんですが、今回は来年から始める席題についてが多いです。短時間で作句することの楽しみと不安・・進化が続く蒲郡川柳会です。
      わずか17音字で長編小説にも負けないドラマが詠める川柳は、読み手の数だけ解釈があると私は思っていて、「好句往来」の原稿を真っ先に読める私は幸せ者で、依頼者の読みの深さに学ぶことばかりです。

  2. 久美子 on 2016年12月7日 at 9:47 PM :

    順子さん、ありがとうございます〜!!

    卑弥呼まで宣伝していただき感謝です!!

    なんと言っても、卑弥呼宣伝部長の閑雲さんが大活躍なんですよ!
    愛知に足を向けて眠れません…

    ってなことを言ってると、どこにも足を向けて眠れない久美子です…

    • 鈴木 順子 on 2016年12月9日 at 5:33 AM :

      久美子さん、お早うございます。
      1月号用の原稿が届いてます。忙しいなかを3か月有り難うございました。
      今月は信ちゃんからの突込みがないのね
      信ちゃんは10日の日川協幹事会に出席かしらん?
      私は今年もパスです。
      なんて、これじゃ信ちゃんへのコメントになっちゃう(笑)

      今年は何回久美子さんと会ったかしら…と振り返っています。
      お父さまもお母さまもお元気で…
      一族で川柳が楽しめる…
      今、真島親子、お父さま、お母さま、久美子さんの呼名の声が聞こえています
      二親に見守られている幸せな時間は増えることはなくて減っていくばかり…
      大事にしてね、堪能してね。
      特に母親に縁の薄かった順子からのお願い…。

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