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12月号も東京みなと番傘の坂牧春妙さんに鑑賞していただきました。春妙さんはユーモア句を多く作句される方です。

○ 被災者に希望も呉れたボランティア  安田 志峰

 災害でどこから手をつけたらいいか分からず呆然としている被災者にテキパキと手を貸して片付けてくれたボランティア。その仕事ぶりを見ているだけでもこれからの生活に少しの希望が見えたかもしれません。

○ 遠距離の恋は毎日声で逢う      山井十文字

 会えない時はきっとメールなんかではなく生の声で逢うのでしょう。画面を見るのでは本当の恋は語れません。

○ 花の名を忘れ憶えてまた忘れ     山下 益生

 人の名前もすぐ忘れるのですから花の名なんか聞いたとたんに忘れてしまいます。忘れな草はどうでしょうね。

○ 気持良く出来た駄作を自慢する    山田  優

 気持ち良く出来たのはきっと傑作に決まっています。それを自慢するには駄作というしかないのです。

○ 街へ出た子ら呼び戻す秋祭り     油谷 克己

 お祭りというのは余程魅力のあるものなのでしょうね。若者が故郷に戻っておみこしをかつぐ時、いじめなんてケチな事は存在しない健全な世界ですね。

○ 断捨離は無理チラシも紐も捨てられぬ 池田登茂子

 きれいな包紙や紐は捨てられなくてもチラシまでとっておくのですか?それは余りお勧め出来ません。一度全部捨ててみて下さい。お部屋が広くなりますよ。

○ 思い出を置いて時間は消えてゆく   伊藤紀雍子

 消えていく時間が思い出を置いていくとは、とてもすてきな表現と思いました。

○ これからも水と油の二人連れ     尾方 静子

 ご夫婦の日常がちょっと想像出来て愉快です。きっとどのカップルも同じなものかもしれません。

○ 同じこと聞き流すのも思いやり    河合 久子

 老人は何度も同じ事を言います。本人は全く初めて話してるつもりなんですね。だから聞いてる方は「その話もう五度目」なんて言ってはいけないのです。

○ 友が逝くいつもとおなじはずの朝   澁谷さくら

 親しい人が亡くなったりすると、自分の回りだけガラリと違ってしまったような感じがしますが、それをさらりとうまく表現しています。

○ ダム枯れる昭和の里が顔をだす    藤原 緑郎

 カラ梅雨でダムの水が減ると底の方に沈んでいた村が姿を出したりします。「昭和の里」という表現がいいですね。

○ 悪役を仕立て話を盛り上げる     本多 春子

 だいたい話が盛り上がるのは、良い人をほめるより嫌われ者の悪口をいう時ですね。「仕立てる」というのが、ちょっと気になりますけど。

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