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 10月号も、吉道航太郎さんに鑑賞していただきました。

○ 童謡が吹ければ楽しハーモニカ    寺部 水川

 同感です。決して上手で無くても、まあまあの音程でメロディーが吹ければどんなに楽しいことでしょう。夕日を背にしたハーモニカの音色が聞こえてきます。

○ おばちゃんの証図太さしなやかさ   花井  稔

 「おばちゃんの証」と言い切ったところが爽快です。女性特有の順応性が旨く表現されています。大阪のおばちゃんな限ったことではないのですね。

○ 気を付けて私ドタキャン常習者    鈴木 順子

 自ら「ドタキャン常習者」と名乗っているところがまさに川柳です。と、名乗っておきながら実際はとても律儀な性格なのです。その真逆の御仁にはほとほと途方に暮れる時があります。

○ 産直のキュウリ庭から捥ぐ朝餉    牧野百合子

 キュウリに付いた朝露が見えてきます。まさしく「産直」ですね。これが菜園の醍醐味でしょう。今日一日の元気が湧いてくる一句です。

○ かぞえ唄母はやさしい人でした    水谷 一舟

 お母さんの優しさと共に作者のやさしさが伝わってきます。上五の「かぞえ唄」が絶妙です。さすがベテラン作家の存在感に感服しました。

○ 茶をにごすこれが貴人の処世術    山田  優

 「貴人の処世術」と詠んだところに、アイロニーが良く利いていて、これぞ川柳という作品に仕上がりました。旨いなぁと唸っています。

○ ヒーローが天狗になれば見苦しい   脇田 雅美

その通りですよね。謙虚さがあってこそ天狗の男前も一段上がるというものです。羨望の眼差しで、鼻につく情景をいつも眺めています。

○ 理由ありの男綺麗に一人住む     河合 久子

 どんな理由ありでしょうか。色んな想像がかき立てられて、ドラマを観ているかの様です。きっとその男性はさっぱりとしたダンディーな方だと推察します。

○ 苦労した手から介護の温さ知る    郡山 弘子

 人生の様々な苦労を体験したからこそ、他人の痛みが手に取るように分かります。差し伸べる手の何と温かいことよ。

〇 責任が無くて気楽に削除キー     鈴木かずお

 責任が無いということは、勝手気ままの気楽さがある反面、一抹の寂しさを覚えます。

 航太郎さん、3ヶ月間有り難うございました。

 

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