9月号も、鈴鹿川柳会の青砥たかこさんに鑑賞をお願いしました。
〇 別れ際ごきげんようはいい響き 尾崎千津子
人間は現金なものである。最初は違和感があったが、今はいい響きとして当たり前のようになった。そして「じぇじぇ」はかなり鳴りを潜めてしまった。
○ 初体験孫の子守りの抱っこ紐 河合 久子
赤ちゃんの顔は見えて安全かも分からないが、何か仕事をするのにはやはりおんぶかな…と思われなかっただろうか。
○ あれこれと思案それでも出ぬ答 白井 昭
つまり答えのない難問なのかも。一句目の・あの日から揺れるこころを持て余す とセットになって読者はなにがあったのかしらと案じてしまう。
○ レモン色の息で男を惹きつける 高柳 閑雲
実にさわやかな一句、と言いたいが、よーく読むと実態がつかめない句。謎のある句もたまにはいい?
〇 つまみ食い一つ旨くてまた一つ 竹本カヲル
句を声に出して読むと、定型だが滑らかに行かない。盗み食いらしくオドオド感が出て面白い。
○ 太陽とケンカする気のない昼寝 田口 勝義
暑い日中は静かに涼しい部屋で昼寝に限る。ケンカする気がないなど遠まわしに言っているが、外に出たくないということで、面白い表現になっている。
○ 椅子浅くかけて訣れを察知する 田中 豊泉
特別な漢字で、特別なことを詠んでいられる。病院での見舞いのひとコマか…。落ち着かない気持が上手く表れている。
○ 良し悪し両刃の剣自衛権 安田 志峰
いじめられたからといじめ返したら同じ罪になる。かと言って泣き寝入りも辛い。自衛権の為に敵を作りかねない、両刃の剣とは言い得ていると思う。
○ 戦争を知らぬ世代の自衛論 山下 益生
戦争を経験した人の中にも、武器を持たない我が国に不安を感じている人がいるらしい。楽しい句ばかり採り上げられたらどんなにかいいだろう。
○ 母の日の後の父の日付録の日 森 文代
子育てに参加してこなかった過去の父は仕方がないと思うだろう。だが、今の若いパパはとても子煩悩。近い将来逆転があるのではないだろうか。
〇 夏帽子どこへ入れたか小半日 大須賀ユキ
誰もが思わず頷く句。季節物は入れるところを決めておくこと。早めに探すこと。焦らず探すこと。ふう…
〇 長生きはするなとお上給付下げ 山田ヤマトミ
そういえば、近頃「長生きしてくださいね」の言葉はあまり聞かれない? 年金を下げられてもしたたかに楽しく生きようではありませんか。
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