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12月号も、名古屋番傘川柳会の石崎金矢さんにお願いしました。

そう言えば11月号の時に、新人さんの作品を取り上げてくれていて、「私には縁のないところと思っていたので、嬉しかった」というFAXが届いていたこと、7日に、金矢さんに言うの忘れちゃったわ、相変わらずのドジです。

〇 長さよりいかに生きたか問ういのち  安西 廣恭

 いわゆる健康年齢の意味ともとれるが、おそらく作者の意図は人間としての存在価値を問うているのであろう。そのように問われると私などうつむいてしまう。

〇 バスツアー周りの会話だけ弾む    桑山 公一

 バスの中はおしゃべりが花盛りだが、自分の席は静かである。一人旅の参加とも取れるが、ここでは連れ合いが眠ってしまったと理解したい。わが家がそうだから。

○ 追憶はモノクロだから黴臭い    鈴木 かずお

 映画の手法で「過去はモノクロ現在はカラー」というのがある。写真や映画では大昔がモノクロであるが、この句では追憶はモノクロと断じる。そんな気もする。

○ どうせ夢でっかい事を言うて見る   田中 豊泉

 普段は大人しくしていて大言壮語はしない。しかし、どうもこれは夢らしいから遠慮なく大声でほらを吹く。結構舌が良く回る。夢の中で疲れてしまう。

〇 身長にまだまだ縮む余地がある    寺部 水川

 毎年の健康診断のたびに、身長が縮む話を友人同士で寂しく語り合う。しかし、この句ではまだ余地があるとズバッという。人生達観した句である。

○ 家中を洗濯したい日本晴れ     戸鹿島 節子

 子供の頃の思い出に、朝寝していると母がやってきて身ぐるみ剥がされ、布団も取られてしまう日があった。この句では更に家中に風を通したい気分が満ちている。

○ 祭り寄付提灯さげてやってくる   中内 まつ江    

 祭りの寄付というのは場所ごとにかなり異なるようだ。ある町では堪らず引越す人が時々いるとのこと。提灯さげて叙情たっぷりの集金、大金では無いようだ。

○ もう一本飲めとサンマが言うのです  藤原 一志

 サンマは煮付けや蒲焼きも旨いらしいが、川柳になるのはもちろん塩焼き、そして一本は熱燗ということになっている。明解な句にカンパイ。

○ 笑いの輪その真ん中に母が居る    油谷 克己

 戦後の混乱期を脱して、日本の居間に幸せ空間が出来たのはいつごろだろうか。国民の多くが中流家庭と思って幸せだった。もちろん中心に母が居た。

〇 今日も雨起きよか寝よか本読もか   大野 文子

どうもお一人になったらしい。ようやく少し元気になって何かに挑戦しようとする前夜。人生これからまだ長い。いい句が作れる予感。

〇 ドクターもタレントなみに出るテレビ 小田 善作

 日本も数人といわれる名医がテレビに出ている。早く病院に戻って仕事を続けてほしい。その病院に患者が殺到しているかも。

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