すっかりサボっていた「好句往来」、11月号から堺番傘川柳会の荻野弘子さんにお願いしました。今年最後、12月号は、10月号近詠作品からの鑑賞です。
○快男児ざくろの割れる音がする やまぐち珠美
元気な男の子が生まれました。ざくろが割れる音なんて素敵な比喩へピッタリなんです。この句からいろんな想像が広がってきました。新元号へパワーアップが出来そうな気が致しました。
○液状化ハザードマップチェックして 山上 信子
今年は災害の多い年でした。台風二十一号の爪痕残る街はブルーシートの屋根が目立っています。人間が招いた温暖化の地球、危険個所をチェックしておかねば・・。陥没した道路の記事を見るたび液状化していくこれからが本当に怖いです。
○まだ少し青さが残る八十九 小田 善作
○弱点は見せまい老いの仁王立ち 花井 稔
○老いという見えない敵と日々勝負 戸鹿島節子
老境に差し掛かり気迫を感じる佳句ばかり。謙虚に老いを受け止め、前向きの視線にあこがれています。
○再起する男に燃える地平線 田中 豊泉
懐かしい情景を思い出しています。真っ赤な夕陽に染まりながら明日の夢を信じていた。ふるさとの丘から。敗戦後、どこまでも広がる荒野のなかで、飢えていたけれど心は燃えていた。夢があったから頑張って来られた。なつかしい青春の一ページ。
○プライバシー少しは欲しい金魚鉢 立山ゆう子
家庭内の秘密も聞いているはずの金魚のプライバシーが守られていない。意外な発見に笑いました。浮草の陰から尻尾をゆらゆらさせている金魚を想像しました。
○引き算は苦手足し算ばかりする 藤原 緑郎
上昇思考のベテランなんですね。斯くあってほしいものよと、思いながら心配性が引き算をするものです。やるだけのことは精一杯やってもあとはケセラセラ。足し算に徹することに致します。
○信念を通す孤高がふと淋し 寺部 水川
格調の高い一句です。信念を押し通したものの、胸の内では秋風が吹いている。誰にも言えない悶々としたそんな心境。私にも経験があります。微妙な心の揺れを上手く詠んだ佳句です。
○何ひとつ無駄はなかった落ち椿 鈴木 順子
生涯を現役で通す落ち椿、散ってさえ大空を睨んで覚悟を見せてくれる椿には、生き方を教わることばかり。椿が持っている哲学に、どれ程多く教わったことか。何ひとつ無駄はなかったと、はっきりと言えます。
浩子先輩、忙しいなかを有り難うございました。
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