2020・04
2020年4月の時事川柳入選作品
選考/平松 健 2020年4月募集分
宰相は意地でもアベノマスクする 太秦 三猿
アベノマスクは466億円と言われるが、一次的に納入された品物は使い物にならなかった。5千万世帯に2枚まで配布することを決定した総理は言い出しっぺの手前人前に出るときは意地でもアベノマスクをつけている。
この春は桜ではなく百合を観る 宮本 信吉
三蜜は首相官邸と厚生労働省が作成した言葉であるが容易に緊急事態宣言を出さない政府に対し、現場は、百合子氏の華麗なパフォーマンスにより、主導権が知事に移り、国民は花見もできず、コロナに堪え忍んでいる。
調査する側がホントはされる側 素人
コロナで忙殺されている国民の目から上手く逃れたい官邸は、自殺した近畿財務局員の手記を調査済みとして片付けようとするが、調査されるべきは官邸であると訴える遺族の悲痛な叫びを我々は決して忘れてはならない。
収束の兆しがあると言いたがる 岡 遊希
延期五輪言いだしっぺにツケ廻し 植木 平等
コントロールできぬ夫人と新コロナ 羽馬 愚朗
コロナ禍がうまく不祥事封印し 寺井 一也
ウグイス嬢金でかき寄せボロを出す 西井 茜雲
責任は取らず取らせる特措法 クスクス法師
負の連鎖アベノマスクが繋いでる やす坊
マイナンバー10万円の初仕事 わこう
晒されて広告になるパチンコ屋 渡辺 たかき
「寄り添う」は禁句となった新コロナ 砂斧斤
これがあのアベノマスクかと握りしめ 大河 増駆
結局は人が運んでいるコロナ 西山 竹里
官僚が智恵を出さずに口を出す えみゆ
海外に依存で露呈する不足 小田慶喜
国の即断忘れた頃に届く 岩窟王
保健所が電話で下す診断書 橋本 修
新コロナ年金食わずありがたい 上山 堅坊
危機に備え戻っておいで日本製 坂本 加代
テレワークコロナで普及想定外 横手 敏夫
乱心か朝礼暮改振り回す 川名 洋子
学生のバイトも奪う新コロナ 上山 堅坊
研修医まずは隔離を体験し 有澤 嘉晃
見学者絶えて鳴き龍泣けぬ日日 木村 行吉
名はコロナ昔愛車で今魔物 飯野 致祥
金まみれアベノマスクは役立たず 春爺
公表で寧ろ盛況パチンコ屋 はなぶさ
身に沁みるあの日常の有り難さ 大河 増駆
研究費削った結果でしょコロナ 小田虎賢
役人の代読をする安倍総理 美和 山吹
都知事選あるから目立つことをする はぐれ雲
休業補償防衛費見て指くわえ 辻 貴希
テレワーク飲み会までもオンライン 汽水
マスクではやはり都知事にセンスあり 橋本 修
開いた口塞げと言うかマスク来る 砂斧斤
再放送新たな気分味わえる 火打石
再の字がどんどん増える番組表 船岡 五郎
金のない知事が都知事へ指くわえ 星野睦悟朗
一年の延期に賭けた安倍首相 こはり つよし
これを機に会社はずっとテレワーク 若山 貞人
票のためならとすんなり十万へ よし絵
野党より彷徨う妻が恐ろしい 佐藤 彰宏
ウイルスも人の集まる都会好き にった みさ
税金の摂取は早く出は遅い 小田和子
麻生さん両手上げてもいいですか 山田 とく子
布マスク言いだしっぺは外せない すずき 善作
かあちゃんの操縦法は知らぬ安倍 松本清展
火をつけて火事場泥棒国がする 高橋 太一郎
日本のどこが先進医療国 小田和子
コロナ禍へGAFAの世界垣間見る 白鳥象堂
閑古鳥ホッと一息荷が重い 水谷 裕子