2019・02
2019年2月のユーモア川柳入選作品
選考/太田紀伊子 2019年2月募集分
立ち話伸びて花壇の花も伸び おじ丸
誇張が面白い。花壇に咲いたのはどんな花かな。チューリップの首も伸びますが、明日葉かも。立ち話は延々と続きそう。
子どもより親のしつけをまず先に 久常三喜夫
列車の中、食堂、コミニティ広場などでふと感じます。それより我が子を殺す親がいるのにはびっくり。親になる資格テストが必要かも。
三つ星のシェフも帰れば茶漬けだけ 糸乃 こまり
そんなものなのでしょうね。舌が物言うお仕事ですから。きっと素敵なお茶漬けなのでしょうね。
ファッションにスマホを持って職が無い 白瀬 白洞
スマホなど無くても生きて行けるのに 光畑 勝弘
改竄は安倍内閣の十八番です 高橋 太一郎
フリコメの進化に追いつけぬ検挙 よし絵
ヒマな人多く図書館支えられ かきくけ子
自分だけ年を取らない服選び 森元 恵美子
幾何学を蜘蛛と語ってピタゴラス よし絵
シリアスな役が泣かせるコメディアン 龍せん
ほどほどに遊べと諭すパチンコ屋 関口 行雲
上を向いて歩けない歳取りました 風間 なごみ
国民の夫婦の手本両陛下 ヨウカイ
金婚もメッキ空洞中身薄 若山 貞人
ベビーカー鎮座しているお犬様 原田 正士
ダイヤモンド拾う積もりの月の夜 上山 堅坊
都合よく言い訳してる花粉症 やんちゃん
新薬が欲しい崩れる体型に 森元 恵美子
青汁がう~んうまいもう一杯 春爺
通帳の微少利息にただ苦笑 渡辺 世潮
足湯でも混浴と書く案内書 福村 まこと
マドンナの隣を願うあみだくじ 野川 清
愚図だからオレオレ詐欺に粘り勝つ 木村 行吉
警察前ボリューム上げる街宣車 宮本 彩太郎
底抜けの七輪みたい五輪相 はなぶさ
孫に聞く孫の確かな記憶力 城後 朱美
解ったふり後で繙く広辞苑 原田 正士
愛想ない店でも締めはオアイソウ 白鳥象堂
ひらがなのきてねに弱いのし袋 松村 しげる
のど飴に痛み治ると書いてない 星野睦悟朗
献血でアンパンマンになる私 結城 昭信
頭髪は不要箇所だけ長く伸び コマネチ
ニュースアナ移しませんと風邪声で 松井 逸馬
意志疎通できぬスマホと指の先
親友はラジオ体操深夜便 三好 光明
何の列並んだ後に聞いてみる 宮尾 柳泉
泣きやまぬ猫に降参ドア開ける 坂本 加代
土俵入り一番暇な露払い 宮本 彩太郎
スマホ普及目薬が良く売れている 藤井康信
開かぬ扉諭吉叩けばスッと開く 原田 正士
ピサの塔支持力足りずお辞儀する 上山 堅坊
謝るは負けることなり韓文化 三流子
結局は残して乗らぬ赤字線 武良 銀茶
デモと聞き埃を払うヘルメット 渡辺 たかき
春ですと君を起こした北の宿 水谷 裕子
運動をすればするほど腹がへる ねこママ
一票のバブルの上で描く驕り やす坊
免許証人相書きのように見え 白瀬 白洞
朝起きて生年月日言ってみる 佐藤 彰宏
落ちていったと割った皿責める妻 板谷 達彦
チコちゃんよ儂のボーっとは白内障 岡田 淳
薄幸の母に十文握らせる 宇宙 悠々