「亭主元気で留守がいい」を、ボクは79歳を超える今日まで実践してきた。「留守がいい」と言われても、行くところがなければ、留守にしようがない。図書館へ行くと言っても毎日というわけには行かない。映画だって毎日というわけには行かない。朝出かけて、夜帰ってくる場所があれば一番いいのだ。定年になったら、そういう場所を作ろうと思っていた。そういう場所・・・事務所を持とうと思っていたのだ。
定年は65歳だった。ボクは直ちに事務所探しを始めた。条件は二つ。交通の便がいい中心部であること。家賃は月4万円以下であること。そんな都合のいい場所を探すのは難しいと思っていたら、意外に簡単だった。ど真ん中とは行かないが、ほぼ街の中心部に望み通り家賃4万円のワンルームマンションが、それも複数あった。中から地下鉄の駅に近いのに決めた。地方の人が、大学に通う息子のために購入した物件だった。
ここでコンサルタントを自称し、約10年を過ごすことになったのである。丁度その頃家裁の調停委員をやっていたので、裁判所へ行くにも便利な場所だった。調停の準備をしたり、原稿を書いたり、たまに講演を頼まれたり、ごくたまに相談事が来たりという具合だった。関係する会社の社史作成も大きな仕事だった。こうして朝は10時ごろ家を出て、6時ごろ帰宅する、いわば勤め人と同じパターンの生活が続いた。場所は変わったが、今もその生活パターンに変わりはない。
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