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実る
課題「実る」入選作品
選考/二宮茂男 2010年3月募集分
骨抜きにされて法案陽の目見る 小西章雄
安倍内閣が成立させた「天下り」規制法は「骨抜き法」。屋台骨を抜かれ、その後も、天下りが続いた。お役人に都合の悪い小骨を抜いて、そこへ都合のいい丈夫な大骨を入れる。役人は悪知恵に長けていますよ。穿ちの句。
密約を守って実る平和賞 辻 貴希
昭和49年に、佐藤栄作総理がノーベル平和賞を受賞した。裏で、ノーベル平和賞と相容れない核密約。17音の川柳が、詩や短歌に負けないドラマを書くには、潜在的事象を穴の開くほど凝視することですね。
お宅のはミニトマトかとまた聞かれ かんなくず
トマトが赤くなると医者が青くなるとか。皮肉られても、こころに太陽の作者はニコニコ。ミニトマトは、小さな実なのに栄養満点。サッと洗って、いつでも、どこでも。穿ちの効いたユーモア句。
夢実るさあこれからが正念場 飯島章友
桃だって三年ギブアップは出来ぬ 山月堂
でき過ぎた野菜を埋める休耕地 小春日和
手を掛けて枯らし掛けずに実る花 船岡五郎
限界の集落たわわ柿実る 楠部千鶴
籾殻の一粒ごとに込めるもの 杉山太郎
付き添いの汗の点滴よく効いた 鹿野太郎
熟れすぎの脳波に目立つ物忘れ 松村しげる
歯ぎしりの数に負けん気実を付ける 神宮寺茂太
過ちを包み隠して実る恋 原田和洋
ギザギザのハートのままで一つ屋根 足立ミツエ
駅立ちの朝が市長の座を射止め 岩堀洋子
実るほど頭を垂れるしたたかさ 橋立英樹
歯痒さを缶に詰め込み蹴っている 柄 宏一郎
下積みを重ねて明日は初舞台 美高けい
実るまで丹精込めて盗まれる 鶴巻 弘
水だけでよくぞ化かしたミニトマト 竹中正幸
リストラでまた人事部に社長賞 三上福助
西の空きょうが真っ赤に実ってる 濱山哲也
倒産も病気も糧に大社長 悠  歩
豊作のうわさ雀が姦しい 伊塚紅白
内定通知卒業に滑り込む 見  乗
心から心へ実るアドバイス 闘句朗
マニフェスト実ることない花が咲く 夢  庭
ご時世か花も咲かずに実を付けた 昌  紀
努力して実る場がない派遣切り 徳島一郎
正直な桃は頭を垂れて揺れ  松本清展
災害の跡に実った助け合い 高山 登
もぎたてのしぶきに少し嫉妬する 伯  林
逆上がり出来た日茜空だった みすず
渋柿は花火のように木に溢れ みつはる
顔の皺に負けるもんかと脳の皺 八十日目
業績を黒子の汗が実らせる 彦  翁
幻の稲穂がゆれる休耕田 アズスン安須
悔しさが実って今日の笑みがある 日比日踊
天引きの苦労が実る一戸建て タートルネック
まだ蕾み咲かぬうちから焦る親 オカダ キキ
花が咲き実を付けるころ来る小鳥 端河  潔
二度目なら全取替えのかたつむり 糸乃こまり
苦労した甲斐があったと叙位叙勲 土藏芳竹
きみが好き実らなくても実っても 斉尾くにこ
仲人はインターネット恋実る 冬野よもぎ
抱きしめて頬すり寄せて子を育て 白馬あさつき
日向水明日の約束プチトマト 和田洋子
レギュラーを獲った球児の手の血まめ ピアノマン
もうちょっと熟してきたら売るつもり 早  人
実りすぎ買い叩かれた農日記 本間千代子
賽銭の祈願が実る合格者 みんせい
百均の相合傘で実る恋 太秦三猿
黒字出て税申告ができました 白  峯