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2021・03
2021年3月の時事川柳入選作品
選考/中前棋人2021年3月募集分
10年を黙って耐えた凪である 風間 なごみ
フクシマの10年はなにも動いてはいない。あの今も増え続けている汚染水のそのタンクの林立は異様である。この放出を畏れている静かな海がある。帰還できるその日を待って、耐え続けている人々がいる。その町がある。
記憶ない妻に言ったら殴られる 八木 五十八
うちでも殴られる。(政権に屈服して)霞ヶ関は麻痺して機能しなくなっている。国民ではなく政権への奉仕者となっている。前川喜平さんのようなサムライはでてこないのか。その記憶を取り戻すのは、文春の力しかないのだろうか。
マスクした顔がホントの顔になる 橋倉 久美子
この顔は、日々発表される感染者数を越えて感染が広がっていることを知っている。マスクの力も、川柳の力も知っている。日本のマスクの顔が、世界を動かしたことも知っている。
権力の病気 記憶にありません 竹中 たかを
文春を接待したいお役人 三好 光明
リバウンドびっくり箱に変異株 闘苦朗
ワクチンがコロナに挑む徒競走 加藤 胖
接待の声もかからず酌むひとり 端河  潔
病には一本背負い決められず 北村 幽芳
十年もデブリの時計眠ってた よし絵
知らぬ間に攻撃力のある日本 下村 由美子
疑ってまた疑って署名欄 赤松 重信
辞任する時も忘れぬ金バッジ 久常三喜夫
生き方も金メダル古賀三四郎 すみれ
復興へ心の傷は生のまま 山田 とく子
父さんを別人格が困らせる 龍せん
あちこちに往生際の悪い輩 正能 照也
七万で食べても不味い飯があり 土佐林 豊
本丸へじわりと迫る接待費 松村 しげる
総務省やはり中身は総無省 柳村 光寛
向かい風ばっかり吹いてくる聖火 関根 一雄
政治家を選ぶワタシの無責任 山口 タカシ
常用の漢字見直す姦しい 渡辺 たかき
記憶にはないと言うよう決めてある 白峯
予告編長いワクチン物語 荘子 隆
忖度を下卑た言葉にしちゃったな 柊 無扇
席替えをしてもくっきり溜席 桜木 美津子
敗因はウイルスだったアスリート 小林 祥司
フクシマの痛み分からぬ柏崎 関口 行雲
センセイが堂々開き直る国 おかの みつる
赤木ファイル無かったことにしたい国 藤井康信
頑としてオリンピックはやめられぬ 川名 洋子
口喧嘩でとどめてほしい米と中 西山 竹里
赤と青一緒にGOは駄目でしょう 中西 余人
デジタル化積み木崩しの総務省 宮本 彩太郎
省庁の閂外す正誤表 清水照一
叩かれて懲りない口がまだ喋る すずき 善作
野党から自山の石と揶揄される 佐藤 彰宏
糸ひかれ菅人形が踊ってる 美和 山吹
接待を 受けてみたいが 誘いなし にった みさ
巨大地震今もフラッシュバックする 竹平 和枝
下町を走るエコカー人力車 やす坊
人間の顔で蜥蜴の尻尾切り 本多 雅子
与野党がコップの中で荒れている 郵呆
お相手は異性ですかと問うご時世 さだえばあちゃん
聖火リレー今日はどこまで行ったやら 春爺
一年の 孫の成長 スマホ越し 河内 菜遊
縁談が宮内庁には棘となり 岡 遊希
「寄り添う」と飾り言葉の稿を読む 辻 貴希
菅さんに目線指導の先生を 風 信子
習近平世界の海は俺の物 岩窟王
他山より二階の石と皆思い クスクス法師
外してよ曲がった口がステキです 水品団石