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課題「水」入選作品
選考/本田智彦 2017年8月募集分
新米のツヤ醸し出す水加減 わこう
 新米を炊飯器から取り出すと米の艶が違う、光って見える、そして水加減が難しい。多いとやわらか過ぎ少ないと固い。炊飯器には水量のメモリがついていますが、古米と新米は多少は工夫が必要。
カレーご飯コップの水を横に置く 諸行無常
カレーには水がつきもの、横にコップを置く。極自然な形、説明句のようだが、水を主役にするとカレーが出てくる、その見付けに佳作。
山崩し家も流してしまう水 上山堅坊
この作品は水(雨水)の強さと怖さを詠んでいる。先般の北九州での豪雨で被害が出て山崩れで家も流され川も氾濫、五十年に一度の雨量とはいえ、自然の怖さを改めて知った。
生も死も水が関わり水も知る 大西 重郎
こだわって水に流せぬことばかり じんじん
湧き水がペットボトルで名を上げる 佐野かんじ
あの時は助かりました給水車 佐藤信則
五十年に一度が毎年来る怖さ 氷川の杜
レポーターここまで水が来たと指す 太秦三猿
水割りの底に沈んだ溶ける嘘 やんちゃん
突然の鉄砲水に逃げ惑う よしやん
台風に水をさされた甲子園 松本清展
水際でせめぎ合ってる愛と憎 やす坊
水臭い口では言うが本音見え 岩窟王
水害の後に猛暑の空恨む ヨウカイ
愚痴悩み水に流して生き上手 やんちゃん
湧水の冷たい水に夏涼し BBブンゴ
炎天下ペットボトルの水呷る 徳島 一郎
ふらふらとのぼせた恋に氷水 汐海 岬
相続が兄弟仲に水を差す 山下 博
せせらぎが心を癒やす山の幸 いいだひでき
物申す水を一杯飲んでから 城後 朱美
左遷地は水合ってると便り来る きぃろっく
逃水のように昭和は遠ざかる 光畑 勝弘
様になるペットボトルのラッパ飲み わこう
イイヤツが恋の半ばに水をさす きかん坊
水臭い仲を取り持つ米の水 小林 藤太郎
水玉に生命が映える美の世界 啓 坊
激辛のカレーが水を旨くする 白瀬白洞
名水を蛇口で飲める里に住む 颯爽
理不尽を水に流して生きている ねこママ
千万年人と水との切れぬ縁 美和山吹
プールでは浮いても社では沈むパパ 古屏風
地球の涙集め狂った川になる 白子しげる
水を得て生かされる人地球人 しゅういち
小屋の水標高順に高くつき マツリカ
洗いもの水の便利さ感謝する はぐれ雲
本当は苦いと知った甘い水 ゆめか
水を得た魚に戻る赴任先 小林祥司
ラガーマン魔法の水でよみがえる 龍せん
俺だって水が滴るときあった 藤井康信
性格を水で薄めて穏やかに 祐泉 隆
水掛け論いつまで続くロスタイム つれづれ
真夜中に寝耳に水の避難指示 ヨウカイ
ペットにも同じ名水飲ませてる 諸行無常
君が去り静かになった水回り 汐海 岬
水入りの相撲に負ける悔しさよ 綉綉
コンビニに名山ずらり並ぶ水 原田正士
洪水の次の記事です水不足 城戸幸二
失言は出世を水に流します 十六夜
手入れした小川蛍を招き入れ よし絵
泥水を飲んで男の貌になる 沢田正司
文学に百態の水顔を出す 美和山吹