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課題「草」入選作品
選考/渡辺柳山・2026年1月募集分
土あればどこでも生きる草の意地 湯本 良江
環境を選ばず根を張る草の生命力を「意地」と捉えた着眼が光ります。逆境にも屈しない強さが普遍的な共感を呼び、簡潔な言葉で深い哲理を感じさせる堂々たる「天」の句でした。
戦国の出世頭は草履取り 美和山吹
草履取りから天下人へ至る秀吉の出世譚を端的に捉え、課題「草」を巧みに生かした一句。歴史のダイナミズムと痛快さが伝わり、簡潔ながら余韻も大きい見事な「地」の句でした。
ボヤきつつノムさん愛でた月見草 はなぶさ
月見草に重ねてノムさんを偲ぶ視点が秀逸です。ボヤきながらも愛情を注ぐノムさんの人物像が浮かび、哀愁とユーモアが同居する一句。読後に温かな余韻を残す見事な「人」の句でした。
敵味方ともに祝杯草野球 渡辺 たかき
坪単価知らんぷりして生える草 栄味奴
七草を上手に言える七つの子 藤井 水月
令和にも子規の愛した草野球 大田 雅子
草に寝て草の匂いに癒やされる 繁柳
安堵して干し草を食む引退馬 すみれ
草いきれ寝ころんでみる夏の午後 瓜生 まりも
アスファルト除草剤にも負けぬ草 宮尾 美明
道草の数だけ人に寄り添える 石井 良司
雑草にも分け隔てなく陽が当たる 風来 帽子
退社後に道草誘う呑み屋街 亀仙マッチョ
草書体読めるふりする書道展 ミツエ
ちょっとした仕草が妻に似る娘 山田 恭正
ミヨちゃんに白詰草のネックレス 髙杉 力
伸びた草見てるしかない松葉杖 新浜一彦
採食の効用百寿まで生きる 池田 稔
草むしりできる老後にある至福 齊藤 大柳
道草が楽しい日課ランドセル 亀 歩
雑草が実効支配夏の庭 陽香
草笛を吹けば故郷の山や川 おかの みつる
道草を 食う人にある 人間味 にった みさ
草野球足より口がよく動く ターちゃん
雑草に猫の額が乗っ取られ 川乃 外朗
筆先が自由に踊る草書体 明日香る
七草を刻むまな板春を呼ぶ つれづれ
コールド負け口惜しさ募る草野球 福田 和人
ランドセル道草という小旅行 成山 きよし
下校時に道草食えぬ舗装道 八十日目
なんとなく草かんむりの人が好き ぱせり
道草や九九暗唱のランドセル 天野 きよし
健気にも雪の重みに耐える草 右田 俊郎
道草で出会って嬉し梅一輪 福田 ヒロコ
草原の風を絵筆にする旅路 松村 しげる
バンザイやトンネルに湧く草野球 西井 茜雲
孫と行く散歩ついでにヨモギ摘み 竹平 和枝
雑草とソーラーパネル競う過疎 章令
名はあれど雑草と言いひとくくり 美和山吹
タンポポは残しといてね草むしり 小島 芙美子
雪の下じっと春待つレンゲ草 小島 芙美子
人垂らし草魂夢の天下人 小原 庄助
柴又へ寅さん訪ね草だんご 磯香
雑草と呼ばれてからの粘り腰 宮本 信吉
七草が済めば早くも冬五輪 二輪草
雑草に税金払う休耕地 みんせい
草笛を吹き故郷の香にひたる 繁柳
水玉の服で出かける草間展 ガバさん
ひまわりに闘志を燃やす月見草 ガバさん
雑草に抱かれる前に墓じまい 大澤 葵
ちょっとだけ道草したらもう傘寿 山﨑 止水
レンゲソウ休耕田に告げる春 宮尾 柳泉