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2025・10
2025年10月のユーモア川柳入選作品
選考/渡辺たかき・2025年10月募集分
うっかりと平均寿命越えていた 春爺
歳をかさねると人は終着点を意識するようになります。その目安の一つが平均寿命で、考えたくもあり考えたくもなし。それを「うっかり」という言葉で笑い飛ばすところが川柳のおもしろみです。
分けてあるいつ別れてもいいように さだえばあちゃん
読みようでは伴侶との倦怠期を表す句ともとれます。しかし、ユーモア川柳としては、逆説的に、馴れあわないことで長い絆を確かめる二人の関係性を表した句として読むと微笑ましく感じます。
我が家より良い家具並ぶ粗大ゴミ カバさん
過剰な消費社会を痛烈に批判する川柳は多く詠まれています。この句はちょっと視点をかえ、「我が家より良い家具並ぶ」と詠んで、笑いのなかでシニカルに風刺しているところが秀逸です。
年とれば昔良かった症候群 林 山柳
分別を捨て去ってこそ真の恋 岡 遊希
斎場のチラシに今日も急かされる すみれ
無口でも正直すぎる骨密度 磯香
主語のない暮らしも乙なあれやそれ 松村 しげる
本心が背伸びしている夢の中 おかの みつる
読んで欲しいとこに挟んである栞 髙杉 力
着膨れて隠せる冬よ早く来い 宮尾 柳泉
恙無く老いては今朝も探し物 ノーテンキ
飲み忘れ予防の薬ないですか 髙杉 力
前向きな人で周囲を疲れさす 橋倉 久美子
ご贔屓の方へ倒れる切られ役 福村 まこと
痩せ我慢できぬ証拠に太ってる 猫背
ボケたふりそれでダメなら死んだふり 岡田 淳
無意識に自分は美女と思い込み 岡 遊希
老いの身に優先席が身に沁みる 右田 俊郎
着心地はさほど良くない十二単 6年6組てんまのよい子
北極で暮らせる程に脂肪つく 津田 隆
大方は痒い背中に届かぬ手 荏原 利行
しっかりと呆けたしっかり者の父 エミ奴
転がせば猫の額も超高値 凡 無為亭
ヘソ出しの臍にもやっと秋の風 木村行吉
竹を割る友の出世は遅れてる 入り江 わに
辛いこと一句捻れば過去のこと ミルクルミ
嫁入りはまだかと急かす父の嘘 福村 まこと
お変わりなく老いに何より褒め言葉 武藤 宣彦
透明になってしまった探しもの 小林 祥司
ダイエットしたのに誰も気づかない 真田 義子
国として授かり物を授けたい 闘苦朗
楷書ではらしくみえない書道展 橋倉 久美子
マネキンがLLを着る店が好き 池田 稔
人づきあい苦手どうしが馬が合い 武藤 宣彦
健康のためにかかった金欠病 道用トモヨシ
押し黙り指だけ動くそこかしこ よもやま話
サングラスかけて待ってる招き猫 やす坊
生命線に延長コードつなぐ妻 木村行吉
整形でみな同じ鼻同じ口 藤井 水月
神様が嫌う神棚宝くじ 山田明
少年をまだまだやっているが古希 さだえばあちゃん
願いごと決めた時には星は去り 荒井 孝憲
我慢する暮らしが鍛え母長寿 かきくけ子
転ぶのが仕事とダルマまた転び 小林 祥司
荷を開ける隙間に父の愛ひとつ 大澤 葵
もめ事は隣の枝と家の草 本多 雅子
ウオーキングしても食欲には勝てぬ 宮本 海風
ドラキュラとゾンビメイクが朝帰り 智鈴
ストレスを抱え込むなと吹き流し 磯香
とりあえず百均でモノさがす癖 よもやま話
私には24時間ないみたい ぱせり