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2025・04
2025年4月のユーモア川柳入選作品
選考/渡辺たかき・2025年4月募集分
お悔やみ欄年齢だけを斜め読み 遠江 竹庵
ふつう読書に使う「斜め読み」を「お悔やみ欄」に用いたところが作者の発見です。所謂「軽み」の句でしょうか。訃報欄で経歴より享年を見て自身の歳を顧みるという感慨体験が読み手の共感を誘います。
協調性試されているまずビール クスクス法師
飲み会での「まずビール」は定番ですが、誰もが「まずビール」とは思っていないかもしれない。そして作者もということでしょう。それを「協調性試され」という表現で「穿ち」の句として成功しています。
担ぎ手が軽い神輿を選っている 西山 竹里
川柳に限らず俳句・短歌等の短詩型文学では、表現量に制限があるので必要最小限の言葉を用いてあとは読み手の想像に委ねることがあります。この「神輿」もその意味を考えさせるところに興趣があります。
型落ちでアップデートができぬ脳 須藤 良夫
アラームより先に目覚める挫折感 山登爺
舟唄をテレビが流す休肝日 トトロさん
出口からまた引き返す愛の謎 ゆき
元の値を剥がして見たくなる値引き 大浦 福子
滑らかな口の割りには重い腰 松村 しげる
旧式の生き字引だがまだ使え 白瀬 白洞
前例を使い回している役所 坂田 康雄
告白へ下戸は二合を一気飲み 野川清
どの顔もいきいきしてる金曜日 小出順子
偏屈な性格が出る靴の減り 竹中 たかを
反論をしようとすると舌を噛む 関根 一雄
ウンウンとうなづくだけの聞き上手 繁柳
年齢を干支で言い合い打ち解ける 河村 けい瑚
解脱した僧侶が並ぶ宝くじ たーちゃん
リモコンを握り「もしもし」慌て者 大田 雅子
トリセツを読むとなおさら意味不明 すずき 善作
お経読む僧侶は腹で布施も読む たーちゃん
協調性だけで生きてきた人生 右田俊郎
第一は寿司の味より皿の色 西山 竹里
お試しの夫婦となって半世紀 おかの みつる
一口と言う女房のでかい口 木村 行吉
ボケ同士笑い話に困らない 竹中 たかを
よく喋る医者でいつでも混んでいる はぐれ雲
ベランダに恥ずかしそうな鯉のぼり 羽馬愚朗
マンホール蓋には蓋の意地がある 河村 けい瑚
受付の知り合いで混む里の通夜 河内 菜遊
午後一時 リモコン片手 寝落ちする 津田 隆
天神さん恋の祈願は受け付けず 西井 茜雲
ペットより己の食費切り詰める 柳村 光寛
終活も就活もいる大所帯 春爺
ぽっくり死百の約束反故にして よもやま話
もう一杯がんばる自分への褒美 渡辺 世潮
二日酔い日暮れで治る悪い癖 優輝
ひょっこりと拾った恋で五十年 川名 洋子
新しい電池を入れる認知症 真田 義子
ランク付けされると知らず育つ牛 河内 菜遊
若返る夢誘い出すコマーシャル 宮尾 柳泉
聞き上手だけど忘れるのも早い 髙杉 力
空き家増えツバメの巣にも空き巣増え クスクス法師
返信がないと孤独死だと騒ぐ 下村 郁子
雨やどりするためにある立ち飲み屋 かきくけ子
衣食住妻の好みで生かされる 佐藤 彰宏
若~いの反応見たくばらす歳 山田 とく子
物言わぬ写真の方がよく語り ハッピーエイト
疑われ釈明よりも空涙 岡 遊希
やる気出せ言わなきゃやる気出せたのに 荏原 利行
つじつまの合わぬ言葉にさせる酒 よもやま話
いい夫婦演じる仮面疲れ気味 稲垣 義舟
試供品試せるほどの量もなく 下村 郁子