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2016・10
2016年10月のユーモア川柳入選作品
選考/五十嵐淳隆 2016年10月募集分
ノーベルもどこ吹く風のボブディラン 竹中正幸
11月上旬現在、ノーベル賞の授与式に出るとも出ないともハッキリ言わなかったボブ・ディラン。その代表作「風に吹かれて」をもじって、「どこ吹く風・・・」と表現された中句はぴったり感があって秀逸です。
人事部が湯沸し室に火をつける 光畑勝弘
人事異動のウワサは会社の女子トイレや湯沸し室で、いち早く広がるものです。そんな状景を湯沸し室のガスに「火をつける」と表現されて秀句となりました。
百合の香にむせかえってる伏魔殿 岸田万彩
百合の花の香りは強烈ですね。伏魔殿と言われる東京都庁に、今や百合子旋風が吹き荒れています。その百合の香りに都庁の職員がむせ返っているとは云い得て妙。痛烈な皮肉の秀句となりました。
もう古希で出世払いが出来ません 風間なごみ
ノンアル派増えてなくなる無礼講 クスクス法師
男見る眼が無かったと子に言われ 亀 歩
美人ならこれほど道を聞かれない かきくけ子
科学者の目だな何でも壊す孫 よし絵
お好みの具からはみ出たハムの意地 松本清展
肩書が消えてメロンは遠ざかる 光畑勝弘
大根の値段調べて買うサンマ わこう
請求の水増しで飲む甘い汁 岡野 満
Eメール静かに愛をたぐりよせ 真田義子
ひれ酒に心残りを温める 光畑勝弘
政治家の命に勝る領収書 佐藤信則
教訓は敗者の方が残してる 有澤嘉晃
鬼の首取って喜ぶ週刊誌 太秦三猿
不倫くらいじゃ文春は来ぬ無名人 本間千代子
金持ちの財布の紐は固結び 麦乃
上様と呼んではくれる領収書 福村まこと
読書の手かっぱえびせん止まらない 本間千代子
孫が泣き突き出す婆の干し葡萄 はなぶさ
財布ごとレジに清算たのむ婆 三浦 芳子
うなだれた影法師へと叱咤する 渡辺たかき
舛添さんの絵画がずっと気にかかる 白子しげる
味噌汁の味が分かって丸くなる 沢田博昭
歳月が冷めた味噌汁旨くする 佐藤彰宏
上京のスーツはみどり色とする 佐藤信則
カメラ慣れしている知事にある余裕 なるちゃん
結婚線あるのになぜかまだ一人 真田義子
面白さイグノーベルが勝ってる 赤松重信
教えたが学びましたと言っておく 船岡五郎
人の気も知らずに喋る対話ロボ 星野睦悟朗
先寝るぞ明日起きてねと妻が言う 上山堅坊
スイーツを絶ってストレス増えてゆく すずき 善作
屋上で靴は揃えるものじゃない 加藤 当白
畳んでも酒が広げてしまう過去 結び目
晩酌はやめたと言わぬ日記帳 松村 しげる
自分とのコミュニケーション酒を呑む 結び目
街歩き昭和の路地をまた見つけ 竹中正幸
日めくりと競い合ってる落葉樹 颯爽
大方の難題こなす諭吉君 上山堅坊
消しゴムよ消すな小さな恋ひとつ よし絵
爪に火を灯す生活爪伸びる 辻 貴希
稲刈りを孤独にさせたコンバイン パチンコ姫
一人では任しておけぬ掃除ロボ 楠部千鶴
眉間より頭の中の皺づくり 佐野かんじ
初対面茶を出す妻の品定め 武藤今朝夫
「はいはい」と「はい」で温度差使い分け 由美
CCのメールにぼくを入れないで 月波与生
教科書に載ると偉人になる奇人 渡辺たかき
団塊の男は持たぬ充電器 十六夜
目を閉じて中指合わぬ老い怖し 宇宙悠々