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課題「雪」入選作品
選考/本田智彦 2015年2月募集分
行軍のまぼろしを見る八甲田 白鳥象堂
青森県中央部にある八甲田山、1902年に歩兵第五連隊210名が雪中行軍訓練中、猛吹雪のため遭難した。なぜ遭難したか、今でも幻に。
居て欲しい人を帰した夜の雪 泉州のみずなす
独居老人であれば来客が帰ってしまうと心寂しい。ずっと居て欲しいとの願いもあるのだが。
雪だるま幼稚くささが暖かい えみゆ
雪だるまは造る人によって様々だ。特に子どものものは自由な表現で目、鼻、口などその位置がなんとなくあどけて滑稽だ。
名残り雪消えた女の溜息か 高橋 太一郎
大雪像作る平和な自衛隊 太秦三猿
うっすらの雪が嬉しい冬の庭 上山堅坊
子どもには楽しさばかり見える雪 西山竹里
雪像に世相を刻む雪まつり 小田慶喜
豊作に良かれと雪は降り積もる 望月 弘
雪止まず熱燗だけの客となり かきくけ子
雪掻きに玉の汗するボランティア 久世高鷲
豪雪が雪のロマンを消してゆく 白子しげる
もう一本つけましょうかと雪の夜 千代子
ふりがなのように静かに雪が降る 都わすれ
たまの雪愛しむように手形つけ えみゆ
シベリアとおんなじ色で雪が降る 赤松重信
東京に雪降れば地方よろこぶ 佐藤綉々
日本海側に一礼して眠る 佐野 かんじ
限界の村に容赦のない吹雪 渋谷重利
雪に泣き雪を恨んで雪まつり ゆきよし
新雪にシュプール描く爽快感 小田虎賢
予報士が正確すぎて雪になる 千代子
マフラーで親の背中を叩く雪 高山 登
豪邸もローンの家も雪の中 甲斐 良一
豪雪に原風景が掻き消され 幸村
美人なら逢ってみたいね雪女 沢田正司
手のひらに舞い散る雪のような恋 琴音翼
雪国の人はやらない雪見酒 星野 睦悟朗
今度こそ雪解けを待つウクライナ 福田 和人
豪雪を掘れば車が顔を出す 太秦三猿
雪国に生まれ男の重い口 赤松重信
雪解けの小川が春を喋りだす あつじ
雪の坂たがいに譲る先陣車 まっくん
見るだけの雪なら綺麗あたたかい よし江
雪降ろし落ちて埋もれてやるせなし 坂本加代
ただきれい温い部屋から見る雪は 有海静枝
雪の肌農家に嫁ぎ小麦色 三浦 芳子
雪景色やっぱり酒が欲しくなる 甲斐 良一
雪こんこポチの散歩は抱っこして 佐藤彰宏
いびつでもほのぼのさせる雪だるま 彦翁
過疎の村情が行き交う雪の道 あつじ
五線譜に載せると雪は踊りだす 望月 弘
雪かきの音が急かせる朝寝坊 わこう
雪かきの仕方で分かる近所の輪 十六夜
恋人をロマンチックにさせる雪 バリバラ
黄昏れて独り嗜む雪見酒 三浦 芳子
列島をぺろりと舐めた雪の舌 BBブンゴ
雪降れば歓声あげる園児たち 悠澪
新幹線立山連峰付いてくる 吉村恵巳子
雪国の苦労を思う五十肩 甲斐 良一
鹿児島の雪は時々黒く降る 松本清展
雪埋まる不安の朝にラッセル車 かきくけ子