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ガラス
課題「ガラス」入選作品
選考/本田智彦 2011年9月募集分
ワイングラス女の嘘が浮いている 米本 卓夫
 ワイングラスと女の情景、サロンで彼女の噂をする、そんなやりとりが浮かぶ作品。
言いすぎを悔いる思いでガラス拭く 平松由美江
 夫婦喧嘩して頭に来たのか相手の顔をまともに見ず、ガラス拭きして心を沈めて反省している様。
保育器をガラス越しから見る命 米本 卓夫
 保育器はガラス越ししか見えない。これに類した句が多かったが、下五の「見る命」が効いた作品だ。
指先が曇りガラスと戯れる 楠部千鶴
ガラス越し猫が金魚に無視される 小西章雄
火の玉と格闘をするガラス工 小西章雄
恋愛はガラス細工の風船か 高橋 太一郎
ほやほやの天使が並ぶガラス越し みのり
ガラス越しキスは昔のメロドラマ 城戸幸二
ガラス拭く澄んだ心でいたいから わこう
乾杯のグラスが苦労忘れさせ 小西章雄
ステンドグラス太陽光に味をつけ 吉村明宏
花束とガラス破片がある現場 アズスン安須
ドジョウでも透明性が監視され 吉村明宏
真実が曇り硝子に透けている 田岡 弘
出窓には見せる幸せ並べ立て 見乗
窓ガラス割れた学校荒れたころ 岩堀洋子
どうしても寂しいときは窓を拭く 森野このみ
元彼がくれたガラスのイヤリング まりえ
ぐるぐると腹をまさぐる内視鏡 小西章雄
耳元で笑うガラスのイヤリング 森野このみ
汽車の窓息吹きかけて好きと書く 井澤壽峰
青春譜ガラスの如き割れやすさ 市川勲
すぐ割れるガラスはとても美しい 鹿野 太郎
手をあわせ別れせつないガラス越し ダムール
ガラス瓶海越え手紙来た奇跡 岩堀洋子
中国は曇りガラスの向こう側 一身田杉甚
落書きの曇りガラスの傘マーク 小春日和
念入りにガラスを拭くと明日が見え 米本 卓夫
分別をされず泣いてるガラス瓶 四季
都会ではガラスの街ができあがる 伊東志乃
強化したガラスのハート壊れない 鼓吟
突然死丈夫なガラス割れました 楠本 晃朗
ダイヤにも負けぬ輝きガラス玉 鶴巻 弘
ガラス戸に閉じ込めてある幸せ度 米本 卓夫
ワイングラス女の吐息聞いている 米本 素光
本質を突いて戸惑う内視鏡 あつじ
パーティーに慣れず乾杯ぎこちない かっぱ堂
ガラス張りという当社にも裏があり 畦野 睡牛
サングラス取るとつぶらな目の男 かっぱ堂
気付かずに顔面打ったガラスドア 米本 卓夫
ため息でわざとガラスを曇らせる 伯林
届かない曇りガラスの片想い 角丸弘之
おもてなしガラスの器冷えた麺 鶴巻 弘
忙しないバックミラーで身だしなみ 米本 卓夫
ガラス越し裏へまわれと母の顎 日比日踊
初対面我が子を捜すガラス越し 高山 登
カラカラと遊び始めるラムネ玉 山田 こいし
腹の立つ日はひたすらにガラス拭く 星野 睦悟朗
旨そうに見せながら煮るガラス蓋 鶴巻 弘
閉じ込めて錦を着せた金魚鉢 閑宝
ガラス張りされた日本の深い霧 牧  新山