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微妙
課題「微妙」入選作品
選考/二宮茂男 2010年8月募集分
人助け脳死臓器が生き続け 闘句朗
「脳死」の患者さんの体にはまだ体温もあり、血液も流れ、脳以外の臓器は正常に働いている。まだ動いているピカピカの心臓や肝臓などを、移植のため、合法的に取り出す。ご遺族の思いは微妙ですね。
ノーの目をしたまま口はハイと言う 星野睦悟朗
目は口ほどにものを言うとか。「はい、承知しました」と、相手に媚びる。が、正直者の目は、助けを求める。目は自分に嘘をつけない。心をかばい、泣いたり、笑ったり、驚いたり、悲しんだりするのですね。
赤い糸たぐる時には釣りのコツ 伊塚紅白
釣りのコツは、針に喰いついたら、迷わず強く糸をたぐり寄せる。相手によって、即刻、糸をたぐった方がいい場合と、少し、泳がせた方がいい場合がある。面白いねぇ。力の入れ方が、微妙ですよ。
勝ち組と言えず負け組とも言えず 市川 勲
猫よりは役にたつわとほめられる 橋立英樹
音階の違うドもある日曜日 飯島章友
駆け引きの狭間で揺れる臍の位置 小西章雄
常連の舌が見分けた代替わり 加藤ゆみ子
卒業にしようか留年にするか 杉山太郎
表札に俺の名前でいいのかな かんなくず
退屈でたいくつでない無人駅 原田和洋
この痛み愛かそれとも憎しみか 伯  林
言い訳と開き直りで謝罪の気 鶴巻 弘
裏切りも見込み僅差の勝ちと読む 竹中正幸
飲み会で年寄り上座に捨て置かれ 高秋浅太
人情の機微を飼い犬知っており 和田洋子
個人差があるので効き目うやむやに オカダキキ
五分五分が父さん似だとはしゃいでる 鹿野太郎
絵手紙の茄子が胡瓜の味してる 楠本晃朗
虚と実の仕分け微妙な風の向き 神宮寺茂太
言うべきか言わざるべきか加齢臭 丸山重司
唯一無二そんな煽てに少し揺れ 伊田 網人
風向きを読んで無口になる主張 松村しげる
強がりを云って見せては後で泣き 高橋太一郎
生き方もそれぞれ違うセミの声 糸乃こまり
貶してるようにも見える褒め言葉 みのり
軸受けの見えぬ誤差にも眼が光る 牧  新山
曖昧な関係だから長続き 山月堂
「キライなの」「微妙」「スキなの」「有り得ない」 悠  歩
コンビニでしゃべらなくても物が買え 岩堀洋子
与党野党メッキの色がやや違う 松木 秀
脈ありと見せて女は仕分けする 見  乗
万馬券写真判定でも揉める 土藏芳竹
フェアプレー美名の陰に泣くジャッジ 山口昭悦
いい顔をするからいつも綱渡り 彦  翁
方言の伝わる温さ人間味 小春日和
お兄ちゃんみたいな人と言われたよ かっぱ堂
別れるか添い遂げるかをふと迷う 順  也
正論を吐いて微妙な位置にいる 楠部千鶴
割り勘か男に花を持たせよか 本間千代子
「大好き」に君が答える「ありがとう」 らみあ
大胆さを狙って筆が雑になる 風かおる
ひまわりへエ-ルを贈る月見草 望月 弘
塩加減ちょっぴりプロとアマとの差 みすず
味わいのある顔というほめ言葉 きぃろっく
冗談にかこつけ混ぜてある本音 北  朗
トロイカへ僅かなズレが気にかかり 風間なごみ
物言いもビデオ画像で取り直し 吉村明宏
嫌いではなさそうされどラブじゃなか 松本清展
検査結果医者は画像を見て迷う 三  猿
傘持たず出たが雲行き変わりそう 白  峯
下校路のいじめのようなふざけあい 由  美
おふくろと母ではちがう風がある 日比日踊