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ひりひり
課題「ひりひり」入選作品
選考/二宮茂男 2010年1月募集分
神経がひりひりタッチアンドゴー 小西章雄
普天間の移設先をひりひり思いやる日本。その静寂を破るタッチアンドゴーの米軍機の爆音。機体を滑走路に着陸させて、直ぐに、エンジンを全開にして大爆音で離陸する。基地を背負い続ける日本の宿命が悲しい。静寂を際だたせた二物衝撃句。
泣きながら異物に耐える真珠貝 柄 宏一郎
いじめだろうか、受け入れがたいものを抱え込み耐える。やがて、弱者を思いやる心に昇華させたい。砂粒を入れられ、自分では吐き出せず、分泌物を何層も何層も重ねて真珠にする二枚貝に思いを重ねる。素敵な比喩に学ばせていただきます。
ひりひりとオスと男がこすれ合う 飯島章友
「オス」と「男」がこすれ合う。 「オス」は尻尾を出した野生のタヌキ風。一方、「男」は理性的。舞台は新宿ミナト町の裏通り。ひりひりと心が痛んだのは「オス」か、「男」か。不可解な生き物「男性」の心の中を覗いて書いたドラマ。
傷口に塩を塗りこむように褒め 橋立英樹
アフガンの空は日本に続いてる 市川勲
激論を煮詰めひりひりキムチ鍋 小春日和
オゾン抜け弱者にあたる紫外線 柳谷益弘
生傷が何時も絶えない世界地図 佐藤信則
擦り傷に母のやさしいおまじない 岩堀洋子
殺したい男の耳を乗せた膝 伊塚紅白
リストラの首ひりひりと職探し 北  朗
労わって剥がしてくれよ貼り薬 かんなくず
霜焼けの心に歌のマッサージ 鹿野太郎
深追いを悔やんでアロエ塗ってます 足立ミツエ
煩悩をくすぐっている矛と盾 望月 弘
強がってかすり傷だと言っておく 加藤ゆみ子
ひりひりと青い地球が乾きだす 彦  翁
ひりひりがズキズキの人介護する 土藏芳竹
お小言も激辛麺も慣れてくる 本間千代子
骨壷でひっかかれてる喉仏 原田和洋
古傷に触れられ痛いとも言えず 端河  潔
良心の欠片が痛むゴミ捨て場 ささやん
肉食の女子に髭剃り跡があり 嵐  山
初恋の低温火傷治らない 七ツ森客山
ヒトばかり増えてひりひりする大地 竹中正幸
突き刺さる言葉を酒で抜いている 山月堂
ひりひりが進んできたとオゾン層 村田繁一
火傷慣れしててひりひりせぬ不正 松本清展
熱すぎた選挙で火傷負っていた 夢  庭
美容外科手術失敗だった顔 闘句朗
もやしっ子夏の陽射しにやけどする 牧 新山
二日酔い覚えいないが頬の傷 平松由美江
大人にも無視と言う低温火傷
靴ずれは足で稼ぐという教え 濱山哲也
傷口に君の言葉が沁みてくる つむし風
弱点に塩を塗り込む減らず口 神宮寺茂太
年寄りが一番風呂のとげを取り 斉藤ふじお
ひりひりをズキズキにする発車ベル 楠部千鶴
ぐうたらの息子のにぎり辛子入り みんせい
曇りなき君の瞳が射す視線 風の巻
ジーパンの穴標的の憎い風 こやまひろ
知ってたと言いたくなった胸の内 山口昭悦
メラニンが負けてエジプト焦がす肌 石井沙江
傷ついたプライド今も疼いてる ちいこ
迂闊にも煮え湯含んだ舌の先 鶴巻 弘
激カレー彼をひりひり思い出す 見  乗
厚労省事業仕分けをやりすぎて 文一郎
かきむしり血を流してもまだかゆい 坂本美地子
ひりひりとしても河豚刺し止められぬ 矢田しげを
昭和から続く痛みを耐える基地 咲  子
無理やりに取ったカサブタ早春賦 和田洋子
お呼ばれの慣れぬ料理で舌を噛む 駄流庵
ひりひりをがまん春には一年生 オカダキキ