切羽詰るとやる。逆に言うと、切羽詰らないとだらける。困った性格だ。昔からそうなのだ。だから最も苦手なのは受験勉強だった。切羽詰まって慌ててやっても、手遅れということになった。大学の教授をしていたおやじに恥をかかせた。何しろその大学の受験に失敗したのだから。不本意ながら浪人生活を送った。二年目は流石に切羽詰る少し前に勉強を始めたので、辛うじて滑り込んだ。これで懲りるかと思ったら、懲りないのである。相変わらず切羽詰まらないとやらない癖は直らなかった。
大学受験には失敗したが、後は大体切羽詰ってやれば出来るのだ。これがよくない。切羽詰ってからやっても出来るという変な自信があるのだ。要するに一夜漬け常習犯なのである。切羽詰って出来ても、粗製乱造のたぐいで内容が悪ければ話にならない。ところが内容もそこそこに出来るのである。これには理由がある。着手するのは遅くても、頭の中ではいつも考えているのだ。机に向かってから、さてという訳ではないのである。
目下川柳誌の編集長をやっている。90ページ前後の薄い雑誌だが、それでも月刊誌である。月刊誌だから、毎月切羽詰まっている。切羽詰りながら、毎月無事に出せている。もう五年もやっているから、要領は大体飲み込めていて、慌てることはない。ただ問題は記憶力の低下にある。今まで記憶できていたことが、だんだん記憶出来なくなってきた。大事なことを忘れていて、本当に慌てることがある。これは、やることを放置していたのとは違うので、慌ててしまうのだ。これからは、記憶力との戦いになりそうなのである。場合によっては、切羽詰る癖を止めなければならないかもしれない。
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