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「面倒くさいからいいわ」、亡くなった母がよくそう言っていた。たまに食事にでもと誘っても、大抵面倒だからいいということになる。家にいるのが好きな人で、出かけるのが嫌いだった。パーティーのようなものが好きな父と、行きたくない母はよく揉めていた。行きたくなくて愚図愚図している母に、父が癇癪を起して怒鳴り、しぶしぶ母も付いて行くというのがいつものパターンだった。行けば行ったで楽しかったと帰ってくるのだ。

私も今や亡くなった父の年を超え、今は亡母と同じ年である。母は83歳で亡くなったのだ。母と同じ年になってみると、母の口癖であった「面倒くさい」の気持ちが少し分かって来た。確かにいろんなことが面倒くさいのだ。だが「面倒だ」で家に引きこもってしまうことはない。そこが母と違って、どこにでも出かけて行った父と似ているようだ。何かを頼まれて、面倒だなと思うことは増えたが、それでも結局は引き受けてしまう。ただ作業のスピードがめっきり落ちたので、時間に追われることはなるべくやりたくない。やっても迷惑をかけては困るので、断ることが増えた。ただなるべくポジティブな気持ちは持続したいと思っており、その辺の兼ね合いが難しいのである。

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