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課題「足」入選作品
選考/島文庫・2024年7月募集分
前向きの靴が出番を待っている 後藤 勲
玄関口にきちんと揃えられた前向きの靴が、外出先で待っている幸運を暗示している、そんな清々しさを感じさせる秀句です。一読明快、しかもしっかりと穿ちも効いていてリズムも良い。
九条の足もと揺らす武器輸出 すずき 善作
九条の句はポピュラーだが、最近の岸田総理の改憲意欲、武器輸出への方向転換等々。九条がまたぞろクローズアップされてきた。世界が右や左へ極化してきている中での国情を問題視した句。
一駅を歩く同期の昇進日 宮尾 柳泉
サラリーマンを経験した者にとっては身につまされる実に切ない一句。(足)を詠み込まずに(重い足取り)を彷彿とさせるところが巧み。また、この一駅も上手い。主人公の人物まで見えてくる。
サンダルの痕を残して夏終わる 岩田 マリ
物価高軸足変えて生きている 山崎 一郎
足元の福の神には気づかない 川名 洋子
足踏みをしたら地球が少し揺れ 西山 竹里
千鳥足形状記憶装置付 坂田 康雄
返納をしても良いかと足に聞く 山登爺
停戦に足踏みをするイスラエル こはり つよし
有事法軍靴の足音聞こえそう 翔のんまな
足遅いことを願って新紙幣 阿部 日向子
足代と書いて渡した袖の下 おかの みつる
太い足だから大地を踏ん張れる 戴 けいこ
足並みをやたら気にする日本人 おかだ じろう
こんなにも雨降ったのに水不足 6年6組てんまのよい子
足し算を基本に据えて過ごす古希 三好 光明
足枷になれば身を引くタイミング おじ丸
富士山に座り箱根で足湯する 船岡 五郎
足よりも ネットで稼ぐ 選挙票 秋吉 伯柳
投げられた力士の白い足のうら 荒井 幹雄
身の程を知って大地に足がつき 宮本 信吉
温泉の湯温を測る右の足 せきぼー
大相場ローソク足が夢に出る きぃろっく
足元を見られています富士登山 隼人
駅からは足が知ってる村の道 福村 まこと
デジタルの大河に足をすくわれる ハッピーエイト
足並みがそろう恐怖を知る世代 白瀬 白洞
子育てのあちらこちらに勇み足 休鶏
徘徊の噂もちきりまち歩き 正能 照也
逃げ足が速い我が子のいいところ
イケイケの宴会いつも足が出る 八木 幸彦
足踏みの老後を変えた登山靴 砂田 達成
権力に裸足のゲンが追い出され もう六爺
人生を共に歩いた足の裏 久常 三喜夫
万博へ足が遠のくメタンガス 齋藤 光子
父に似て扁平足の十文半 武藤 宣彦
幽霊の足を踏んだか古だぬき 柳村 光寛
足跡のない旅続くガザの民 稲山 博司
最近は二足のわらじ履くムカデ にった みさ
外車から短足の方降りてくる けい
懲りもせず足出す国家プロジェクト 佐々木 冬彦
四面楚歌足枷手枷彼の総理 岩窟王
言い訳は何にしようか千鳥足 汐海 岬
二足歩行これがなかなか難しい 穂口 正子
足跡はしっかり残すシンデレラ 廣田 和織
出来過ぎたアリバイゆえに足が付く 岡 遊希
扇風機のボタンすっかり足に慣れ 橋倉 久美子
夏足袋に歌舞伎役者の意地が透け 桜木 美津子
逃げ足の癖も刷り込む新紙幣 松村 しげる
父母も亡く足が遠のく里の家 鶴見 芙佐子
プーチンに足の乱れを見透かされ 天野 きよし
自分史の嘘を知ってる足の裏 繁柳