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料理
課題「料理」入選作品
選考/島文庫・2023年5月募集分
もう定年と妻が呟く台所 北村 幽芳
奥様、本当にご苦労様でした。どうぞゆっくりお休み下さい。内心、良人達はそう思っていても、後が恐くて口に出来ません。上五をあえて破調にしたことで、句にゾクッと凄みを感じます。
肉じゃがが得意な婿はいかがです 佐佐木 雀区
結婚しない女性が増えるなか、大震災直後だけは、急増したとか。サラリと一物口語で仕上げていても、今時の男女関係や少子化の問題まで彷彿させる「穿ち」の効いた正に川柳だと思います。
ひらかなで母の料理はできている 廣田 和織
平仮名と母の取り合わせが巧みです。感傷的、懐古趣味と笑われるかも知れませんが、私達の母の卓袱台にはカタカナ語や小難しい漢字の惣菜はありませんでした。それでも、もりもり茶碗三杯です。
国連のロシア料理が胃にもたれ 原 洋一
とりあえず大盛りにするバイキング おかの みつる
控え目な愛で満たしたお弁当 せきぼー
憲法へやけにピリピリするレシピ 下村 由美子
行列で待つ空腹の料理人 阿部 日向子
黙食のコースもあった蟹尽くし 坂田 康雄
ボルシチとピロシキ今は避けている 6年6組てんまのよい子
虫けらじゃなくなるのです昆虫食 小田慶喜
盤上の二十歳レシピが冴え渡る 船岡 五郎
薄味も愛と一応言っておく 大浦 福子
少子化で子どものいない親子丼 東洋はじめ
定年後まず料理から自立する あっちゃんパパ
トントンがチンに変わって倦怠期 船岡 五郎
完璧なレシピどおりの味気なさ 渡辺 たかき
俎板へ乗せられている出来心 大木 安沙
山菜が美味しくなればもうおとな さだえばあちゃん
料理本出番来ぬまま古本屋 すみれ
薫風をおかずにガブリ塩結び 白瀬 白洞
好きなもの私に作る一人メシ
手料理を誉める老後の会話術 彦翁
包丁が語る我が家の料理歴 ミツエ
里帰り大忙しの調理鍋 福田 和人
物価高料理の腕も湿りがち 酒井 映子
味付けをせねば誰でも食えたのに 関根 一雄
一人でも焼き目を上にする餃子 たごまる子
砂を噛むおもいフォークを拭うユダ 竹中 たかを
イタリアン言われてみればそんな味 ゆき
金曜はカレーが匂う護衛艦 竹中 正幸
俎板の上で笑っている日本 八木 五十八
モーニング卵料理が消えました 齋藤 光子
目分量なのに美味しい母の味 ねこママ
炊き出しのアルファー米を忘れない みんせい
さしすせそ塩だけ早い減り具合 羽馬 愚朗
レシピにはないプーチンの調理法 河内 菜遊
ある物でおいしく作るママの腕 佐々木 冬彦
子の作る餃子の羽が巣立ちする 砂田 達成
レンチンも料理 宅配お弁当 村上 佳津代
ふぞろいの具材ゴロゴロおやじ飯 藤井 水月
料理下手いつも男に逃げられる やす坊
センサーがお焦げ料理を作らせず 坂本 加代
バーベキューパパが主役の河川敷 小林 祥司
3分でできると書いてあるレシピ 西山 竹里
食材に料理の腕が追いつかぬ 柳村 光寛
照ノ富士対戦相手さばきます。 長谷川 桜道
出来合いを好きなお皿でリニューアル 川名 洋子
赤味噌にするかどうかで揉めている 木村 行吉
デパ地下の出会う料理は多国籍 山田 初男
強打者も落ちるフォークで料理する おじ丸
自信句が没没没と料理され 穂口 正子
妻ならば夫3分クッキング 荏原 利行