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太陽
課題「太陽」入選作品
選考/板垣孝志2021年08月募集分
太陽が出て何になる癌転移 下村 由美子
作者の口惜しさ、悲しさ、どこにも持って行きようのない怒りが真正面からぶつかって来る。マスコミはコロナばかりを取り上げているが、癌による日本人の死者数は一日九〇〇人を越えている。
太陽に礼を言ったり愚痴ったり 岩窟王
米を主食に生きて来た日本人にとって稲の出来は生死を分ける。「お天道様のおかげで豊作、有難いこっちゃ」と手を合わせていても、好天ばかり続くと「干上がってしまうがな」とまことに勝手なのである。
お日さまがやさしい顔でいる絵本 西山 竹里
「お日さま」なんと響きの良い言葉。太陽と書けば暑いとか熱いというイメージがあるが、「お日さま」には、ほんわかとした温かみがある。長引く自粛生活で暗くなりがちな昨今。童心に帰って絵本など如何。
太陽と日がな一日トム・ソーヤ すずき善作
太陽の脛もかじって脱炭素 ハッピーエイト
太陽が今日も私のバッテリー 本多 雅子
ふるさとへ太陽連れて帰ります 三好 光明
散歩道スマホに夕日持ち帰る わこう
太陽がやっぱり似合う甲子園 三好 光明
太陽怒ればビールが慰める 岡田 淳
太陽に恥じていないか金バッチ 川名 洋子
病み上がり日差しが妙にあたたかい 春爺
陽の恵み命あるもの皆動く 有澤 嘉晃
陽だまりを上手に探し今生きる 山登爺
ミニ扇風機かざし討ち入る炎天下 河内 菜遊
太陽にコロナが吠える火焔土器 荒谷 康太郎
太陽は年中無休医者いらず 山田 明
中心にされて太陽動けない 戴 けいこ
冬の陽が残り時間を温める 光畑 勝弘
太陽系に生まれて熱中症 板谷 達彦
太陽の伴走もつけ無事下山 酒井 映子
太陽を吸った布団でよく眠る 上山 堅坊
太陽に土に話ができる父 かきくけ子
お日さまの機嫌へ畑の出来不出来 松村 しげる
巣ごもりにベランダでする甲羅干し 川名 洋子
太陽だ月だ星だと騙される 繁柳
月曜をしかめっ面にする朝陽 せきぼー
太陽が自粛の窓をノックする 隼人
烈日に拍車をかけるセミの声 川名 洋子
日が昇りまた日が沈み老いてゆく 太秦 三猿
太陽に負けてなるかと立葵 久常三喜夫
太陽も恋も気づけば燃えている 汐海 岬
太陽も大宇宙では塵芥 赤松 重信
太陽が買いに行かせるサングラス 汐海 岬
太陽を万年床が恋しがる 橋倉 久美子
中天の陽をひまわりは迎え撃つ 西井 茜雲
太陽を肌で感じる外出日 白百合
陽光を円やかにして赤蜻蛉 穂口 正子
太陽を愛した向日葵の笑顔 加藤 胖
母の背を西陽が照らす台所 和田 孝成
巣ごもりに癒しをくれる日向ぼこ 松村 しげる
太陽の下でじっくり鬱を干す 宮尾 柳泉
梅の実も我も夏日に深い皺 陽香
景色良く日の出見られる墓を買う 関根 一雄
右腕の方だけ焼けるドライバー 佐々木 冬彦
限界の村へも同じ陽が昇る みんせい
外の声ミーハーだったアマテラス 荘子 隆
太陽と寝起き一緒でエコライフ 湯本 良江
太陽が爆発しても生きてやる 松岡 哲彦
庶民から太陽奪う摩天楼 関根 一雄
いつだって感謝する気になる夕日 木村 行吉
スケボーのさくら花咲く炎天下 パチンコ姫
太陽を背にスケボーが宙を舞い