Web川柳句会
| 2016年6月のユーモア川柳入選作品 |
| 選考/五十嵐淳隆 2016年6月募集分 |
|
窓際でやっと俺にも陽が当る |
光畑勝弘 |
| 陽の当たらなかった過去を思えば、たとえ西日であっても当たれば御の字という窓際族のペーソスを品良く表現して秀逸と思います。ただし、類想句も多いようですので、ご留意ください。 |
|
|
どの服も縮んじゃったと嘆く妻 |
麦乃 |
| ご自分の気ままな食生活を棚に上げて、着られなくなった服に罪をおっかぶせている豊満な奥様方の暮らしぶりが窺われて思わず納得できる秀句です。こんな平和な日本が続くことを願わずにはいられませんね。 |
|
|
知られたい個人情報だってある |
太秦三猿 |
| いちばん口の軽そうな奴を選んで、ここだけの話だけど・・と大勢に知ってもらいたい自慢話をする光景が目に浮かんできます。個人情報の秘守義務を逆手にとったユーモア句です。 |
|
|
独り居に生きていてねと市民税 |
小林祥司 |
| 寝たふりをしてつぶやいた昼の詫び |
海野えぼし |
| 冷凍庫整理した日は古コース |
八十日目 |
| お互いが支えているという誤解 |
船岡五郎 |
| のし紙にほんのお礼の顔が見え |
沢田博昭 |
| コンビニで返す当てないトイレ借り |
八十日目 |
| 田の苗の踊る姿に風が見え |
パチンコ姫 |
| ヤジだけはしっかり飛ばす外野席 |
西山竹里 |
| 本当の歳は言わないコンパクト |
真田義子 |
| 褒めておく無難を知っている鏡 |
松村 しげる |
|
|
強火よりそっと中火で生きている |
彩古 |
| 一袋食べ終える迄止まらない |
亀 歩 |
| たすきかけ立ち読み拒む週刊誌 |
城戸幸二 |
| ご当人だけがめでたい祝賀会 |
甲斐良一 |
| 総入れ歯噛めば他人の味がする |
佐藤信則 |
| 腐ってもカネの未練は衰えぬ |
岡野 満 |
| マイカーは無いが我が家に火の車 |
すずき 善作 |
| イチローの一途が建てた金字塔 |
はなぶさ |
| 磨いてもDNAは変わらない |
すずき 善作 |
| ケーキ屋のオープン睨むダイエット |
本間千代子 |
| 愛してるなんてとっくにもう時効 |
佐藤倫子 |
| 席順が自然に決まる無礼講 |
山下 博 |
| 非常食期限切れして感謝する |
クスクス法師 |
| 花道という退き口を用意され |
颯爽 |
| なんとなく妻が強そう妻夫木家 |
本間千代子 |
| 悪党の顔になってる都のトップ |
龍せん |
| 二時半に仕事を終えるパート知事 |
佐藤彰宏 |
| 号泣の県議に負けてない都知事 |
松本清展 |
| 成績につながってない靴の減り |
大陸丸 |
| ちょっとだけピンぼけに撮る妻の顔 |
上山堅坊 |
| 良くできた夫わたしに無関心 |
坂本加代 |
| 時々は愚痴も聞いてね日記帳 |
よし絵 |
| 肝心なところは日記にも内緒 |
由美 |
| 不正車と言うから不正車に見える |
加藤 当白 |
| ウィンウィンとは少し欲張り過ぎないか |
加藤胖 |
| 一桁の利子も一行鎮座する |
寺林 繁 |
| まずい字を個性があると褒められる |
有澤嘉晃 |
| ヘッディングだけは得意な石頭 |
沢田正司 |
| 試食して買わぬ勇気を試される |
赤松重信 |
| しゃっくりを妻はお酒で止めている |
佐藤倫子 |
| EUにちゃぶ台返す霧の国 |
荘子隆 |
| 訓練と知っているから慌てない |
太秦三猿 |
| 食べ足らぬ顔で歯科医へまだ通い |
かきくけ子 |
| 原発も長生きをする長寿国 |
齊藤 大柳 |
| マドンナの今を見に行くクラス会 |
甲斐良一 |
| 飼い犬の目に私は妻の下 |
赤松重信 |
| 白熱の試合黙ってほしいアナ |
西山竹里 |
| 不倫なら違法じゃないが不適切 |
城戸幸二 |
| 温灸のような効果を待つ選挙 |
佐野かんじ |
| 年々に減る生足を出す範囲 |
由美 |
|
選者から再度のお願い。
私の選句基準として、下六や句跨ぎでない中八はどんな秀句であっても、いただかないことにしています。
また、言葉遊びの句や以前に出句したものと酷似の句などもご遠慮願うことにしておりますのでご了承ください。
品格のあるユーモア句をご期待申し上げます。
五十嵐淳隆