Web川柳句会
| 2016年5月のユーモア川柳入選作品 |
| 選考/五十嵐淳隆 2016年5月募集分 |
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鍵穴へ感謝している週刊誌 |
上山堅坊 |
| 週刊誌のネタはもともと覗きから拾ったものに違いありません。それを「鍵穴」として、品良く表現されて秀逸と思います。 |
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ネコを踏む他には芸の無いピアノ |
岸田万彩 |
| ピアノの練習曲は「エリーゼのために」か「ネコ踏んじゃった」でしょう。初心者の近所迷惑を上手く表現されて、ユーモア感に富んでいます。 |
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劣化した輪ゴムを診てる泌尿器科 |
加藤胖 |
| 泌尿器科へゆくと、患者は高齢の男性ばかり。そんなお客の患部を「劣化した輪ゴム」とは言い得て妙です。 |
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稼げない資格ばかりをもっている |
彩古 |
| 首長の私的ルールが首を絞め |
齊藤大柳 |
| 躾する親の躾は誰がする |
佐藤綉綉 |
| 夢を見ろ夢を見るなと叱られる |
岡野 満 |
| 副作用どのお薬か分からない |
由美 |
| 先生も生徒もネット見た答 |
星野睦悟朗 |
| 匿名になると尖がるペンの先 |
彩古 |
| 亭主には息が抜けない過ぎた妻 |
氷川の杜 |
| 妻の勘監視カメラの上を行く |
西井茜雲 |
| 長生きの秘訣を聞いている美人 |
小林祥司 |
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万一に備え毎日化粧する |
由美 |
| いい席を買って寝ているコンサート |
陽香 |
| G7終わりゴミ箱蓋が開く |
城戸幸二 |
| 一つ知り三つ忘れていくショック |
よもやま話 |
| 顔を見て言えと言い訳塞がれる |
星野睦悟朗 |
| 宅配へ眉一本がドアを開け |
風間 なごみ |
| ワイシャツがぼくの猫背を記憶する |
月波与生 |
| 体型を忘れ流行りを買ってくる |
すずき 善作 |
| 切り取り線ふたりの仲にしがみつき |
松村 しげる |
| ゴキブリが出たぞと亭主部屋を出る |
白鳥象堂 |
| 夏がきて嬉しい腕のROLEX |
本間千代子 |
| お守りをたくさん貼った戦闘機 |
福村まこと |
| 審判が下手で負けたと草野球 |
渡辺世潮 |
| 主語のない甘えに落ちたのは不覚 |
松村 しげる |
| 安売りのシール外してゴミを出す |
陽香 |
| どっこいしょ隣の席はよっこらせ |
本間千代子 |
| 一合の酒で本音がこぼれ出す |
光畑勝弘 |
| 厚化粧落としただけでダイエット |
岡田淳 |
| 主婦だものタイムサービスには弱い |
よし絵 |
| いい人と歩き疲れたさようなら |
寺林 繁 |
| 暫くは出て来ず命拾った蚊 |
関口行雲 |
| 雨天順延したらおしまい初デート |
上山堅坊 |
| コリジョンを避ける技術はお手の物 |
寺林 繁 |
| 熱心なお説真面目に聞き流し |
氷川の杜 |
| 大げさに語る噂は受けがいい |
岡野 満 |
| 雨女乗っていますねバスツアー |
風間 なごみ |
| ほとんどは死体並べた鮮魚店 |
甲斐良一 |
| 日本は便座までもがあったかい |
柳村光寛 |
| 図書館に買ってもらって読む無職 |
有海静枝 |
| 難産のオリンピックは逆子です |
えみゆ |
| 掃除機より熊手が似合う子供部屋 |
由美 |
| ミツバチに教え乞いたい花粉症 |
岡田淳 |
| 騒ぐ人スルーしてゆくマイロード |
坂本加代 |
| 新聞を逆さまに見る将棋欄 |
白峯 |
| 若者が出るとホタルが戻る郷 |
相模秋茜 |
| 午前様嫌な気配の窓灯り |
野平光太郎 |
| 孫のため脛に年金貼っておく |
相模秋茜 |
| 薬代節約してる大笑い |
久常三喜夫 |
| X線腹の一物写し出し |
船岡五郎 |
| 付け睫してないポチの愛らしさ |
本間千代子 |
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選者からごあいさつ
前任の八木勲さんに代わって急遽、選句の役をお引き受け致しました。
私はユーモア句といえども、駄洒落や下卑たものではなく、あくまで格調の高いものを優位として、選句させていただくつもりでおります。
どうぞ、よろしくお願い致します。
五十嵐淳隆