句集「かつぶし」を発刊して以降、多くの方からお手紙や感想文を頂いた。
中にはネットやイベント会場でたまたま句集を手にしてくれた見ず知らずの方からお手紙を頂いたりして(裏表紙に住所書いてあるからね)新たな嬉しい出会いもあった。
今日はそんな中でとても嬉しかった感想文を一通紹介しよう
(ご本人ネット掲載了承済み)
☆駿河の東北人ー「かつぶし」を歩くー 佐藤岳俊
雪のように落ち葉が降ってくる。その落ち葉を小判を拾うごとくかき集めている
と、「かつぶし」(加藤鰹川柳句集)がドサリと掌に落ちた。
句集を「あとがき」から見る。「二十七年秋」と記す加藤鰹がここに居た。
そういえば千葉県の銚子っぱすれの犬吠崎(日川協大会)、山形市(東北連盟大会)で彼に会った。明るい笑顔だったが以前より少し痩せていた。しかしその顔はマリリン・モンロー主演の「帰らざる河」のロバート・ミッチャムに似ていた。
「序文」の髙瀨霜石、熊谷岳朗は青森と岩手、共に北東北人である。
加藤鰹が東北にやって来たのはいつだったろうか。恐らく二十歳代だと思う。
句集「かつぶし」とはカツオブシである。
回遊魚のカツオは春に黒潮に乗って北上する。初秋には千島海流(親潮)と合流する岩手の三陸海岸に達して、肥ったカツオのトロが私の喉にも入ってくる。そのスピードは毎秒7メートルと速く、イワシ、アジ、イカ等をたらふく食べて時に眠る。「カツブシ」は軽く美味であり、鉋で削って食べる。私の登山のリュックには常にカツブシの箱が詰められていた。
さて、句集の森へ入っていこう。
・ディスイズアペンさあ夢を綴ろうよ
・ドンガバチョ僕が泣き虫だった頃
・冬銀河カンパネルラはどの辺り
・卑弥呼ならうちの茶の間にいますけど
・湯の宿でオハラショースケさんになり
・雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ妻ニ負ケ
・愛あれば何もいらないなんて嘘
ここには夢を綴る影が動いている。「ドンガバチョ」は井上ひさしが釜石に居たころの「ひょっこりひょうたん島」に出てくる登場人物。「カンパネルラ」は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜。卑弥呼は愛する妻。オハラショースケさんは会津若松で身上を潰した第一人者。雨ニモ負ケズは宮沢賢治の遺言の手帳である。希望の夢がはね返ってくる。
・セクハラと騒ぐどーでもいい女
・肩組んでいたのが実はブルータス
・保険屋のたとえ話がおそろしい
・触ってもいいよトトロのような腹
ここの句群には現実の恐ろしさが迫ってくる。彼が日々胸にしまっていた光景の句ばかりだが、エッセイ「あっちゃん」の「優しさと強さを教えてくれたあっちゃんを、こんな秋の日になるとふと思い出す。」に彼の涙が揺れている。
・パヤパヤと退化してゆく生殖器
・笑うがいい最後に笑うのは俺だ
・B面のうたが聞こえてくる酒場
・樹齢千年ヒトの愚かを見ていたり
少しゆるめに退化する生殖器を持ちながら、自己を物質に映している。そこには表より裏の歌が好きな鰹のつぶやきがある。ヒトの愚かとは何だったのか。戦争の類だったか。
・核保有国のいびつな平和論
・平和説いている聖書もコーランも
・核弾頭そこから明日が見えますか
・目に見えぬものがいちばんおそろしい
・廃校の桜どどんがどんと咲き
・コスモス群生とても陽気で寂しくて
・越えられぬものにギターのFコード
・妻よ子よ俺は負け組だよゴメン
ひとつの負の世界を自分のものとして握りしめる作者が居た。
Fコードに力を込め、負け組の先頭を歩きはじめる。
・無器用で恩も恨みも忘れない
・こぼれ萩次の世でまた遇いたいね
・いのちとはかくも激しき蝉時雨
・天寿とや今燃え尽きる絵ローソク
・うみにふる雪よいのちのはかなさよ
・めぐり逢おう今度生まれて来る時も
これらの句群には彼の生命の力がベクトルとなって迫ってくる。「こぼれ萩」「蝉時雨」「うみにふる雪」これらは皆動いているのだが、動くことによって声を出し、音となって消える。それは生命ある者の点であり、力強さを示すものであった。彼の生命の叫びである。
「序」では髙瀨霜石が「弟は富士山兄は岩木山」で閉じているが、カバー裏の寄せ書きには頂上に霜石が、鰹が裾野に立っている。岩木山はアソベの森と言われ、太古にアソベ族が平和に住んでいたが、大噴火で多くを失った。髙瀨霜石もまたアソベ族の末裔に違いない。
富士山は五合目から上が出来るのに6000年経ているという。祭神はコノハナサクヤ姫である。宮下文書とは中国秦の徐福が阿祖山大神宮に伝わる口碑を漢字で筆録したものであるが、富士山もまたアソ山と呼ばれていた。
私が「駿河の東北人」と呼ぶ加藤鰹はこの句集「かつぶし」から新しい出発の信号を見ているに違いない。
(文章中敬称略す) 2015年12月 岩手県奥州市 佐藤岳俊
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以前の仕事で毎月東北に行っていたので東北は大好き。特に仙台が大好きで老後は仙台で暮らそうと心に決めていた。大都市なのに緑は多いし川も海も温泉もスキー場もある。食べるものも何でも美味しい。お米が美味しい、お酒が美味しい。
そしてなんと言っても東北人は一見ぶっきらぼうだが付き合うと、とことん優しい。
岳俊さんと初めて会ったのはいつ頃だったか、藤沢岳豊先生が「はつかり」の主幹で、その下に佐藤岳俊さん、熊谷岳朗さんがいて「国鉄3岳川柳人」と呼ばれ川柳界をブイブイ荒し回っていた頃だからやはり僕が20代~30代初めだったのかも知れない。
話は変わって、以前出張で訪れた盛岡でお客さんと一緒に飲んだ時、ご挨拶のつもりで千昌夫の「味噌汁のうた」をカラオケで歌ったことがあった。
♪うっぷう~~スばれるねえ~冬は寒いがらミソスルが美味いんだよね~
するとお客さんはプリプリ怒り出してしまい
「ほったら喋りかたスねえ!オメさん訛ってんでねえのが!?」と一喝。
余所者の「にわか東北弁」は小馬鹿にされているように感じるらしい。
以前、川柳マガジン(オール川柳時代かな)で「ご当地方言川柳」が流行った時も「うんだうんだと宥めるように雪が降る・熊谷岳朗」という句に対して「雰囲気わかるな~」と感想を述べたところ、北野岸柳さんから「雪が降らない静岡の人間に分かるワケねえべ」と一笑されてしまった経験がある。
だからこそ、今回この佐藤岳俊さんの感想文。特にタイトル「駿河の東北人」はようやく仲間と認められたような気がして嬉しくてたまらなかったのである。
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ワァオ~!懐かしの写真だよね❗東北川柳人のなかに異邦人のように自称南国美人が一人紛れこんでいますね❗懐かしく忘れえやぬひとコマだ❗サンキューです!
☆大田かつらさん
早速コメントありがとうございます。
先日は大阪常幹忘年会にてお世話になりありがとうございました。
そうですねー確かこの時はじめてかつらさんにお会いしたんですよね。
青森大会、楽しかったですねえ~
句集あらためて読み直しています。
佐藤岳俊さんの文面は愛しさに溢れていますね。(写真の中でVサインを反対に出している人?)
今年7月鰹さんの計らいで銚子では素晴らしい人たちとの出会いがありました。この写真の霜石さん望月さんまみどりさんもおられました。ありがとう~~
今年10月初めて念願の東北地方へ行きました。遠刈田温泉(ここのホテルの窓からの紅葉がすばらしかったので、帰宅後日本画「秋盛り」50号に描きました。)岩木山、中尊寺、仙台、松島、十和田湖など行きたいところ満載のツアーでした。
なにか知らぬ間に私も東北の関係者になったかな?
☆加代さん
そうそう。一番前の真ん中でピースサインしている人が佐藤岳俊さん。
「川柳人」の主幹です。愛媛行くだろうから会ったら紹介しますね。
そちらから遠刈田温泉はとおがったっぺよ~(笑)
青森、岩手、宮城と精力的に各地を回ったのですね。楽しかったでしょう。
加代さん。岩手県民の自慢って知ってますか?
「岩手県は四国よりでかい」
山々の木がこちらとは色形が違っていました。八幡平も雄大な景色でしたね~(これも絵にしたらいいかななんて思いましたが難しすぎる・・)
岩手県のことほとんど知りませんでしたのでガイドさんの説明を聞き洩らさないように聴いていました。広さのことはガイドさんは言いませんでしたので四国より大きいとは知りませんでした(*_*)。
全日本川柳松山大会は参加します。岳俊さんにもお会いできますね(*^_^*)再会が楽しみです。
☆加代さん
東北はなんといっても夏がいいですよ。
ねぶた(青森)→竿灯(秋田)→花笠(山形)→仙台七夕と回れる日程になっていますから一週間くらいかけてゆっくり行って各地のおまつりを見物するといいかも。
鰹さん こんにちは。
句集「かつぶし」ていねいに読みこまれたうえ、
こんな感想まで送ってもらえるなんて、うれしいですね。
佐藤岳俊さんのあたたかいお気持ちもすばらしいし、
これだけのものを贈られる、
そしてしっかりと受けとめられる鰹さんもすばらしいです。
東北地方には、いまだ訪ねる機会がないままです。
震災後、
せめてあの地方で造られている地酒を買いもとめて、
おいしくいただくことで応援しようと、
酒ずきのわたしにできることを考えたことでした。
つよくもないのに、酒のみは何かというとこんな調子で
おはずかしい。。。
ところで、この場でおたずねしてもよいでしょうか。
静岡たかね川柳会の新年句会は、当日参加できなくても
郵送で投句が可能でしょうか?
(欠席投句の場合の料金も知りたいのですが)
豊橋番傘1月号に紹介されていたのを拝見したので…
お題の2番目は、ハートマーク?ですよね。
考えるのも楽しいお題ですね。
今年も残りわずかとなりました。
どうぞよいお年を。
☆澁谷さくらさん
どうぞどうぞ。新年句会への投句参加大歓迎ですよ。
一月号冊子と一緒に投句要領書いて送ります(^^)
東北のお酒、どれを飲んでもハズレはないのですが、僕のお勧めは「浦霞」「一の蔵」(宮城)、「大山」「出羽桜」(山形)、「桃川」「田酒」(青森)です。見かけたら買ってみて飲んでみて下さいな
この年の瀬に佐藤岳俊さんの、“文章”に出逢えて感動です!
こころに沁みました・・・
熱くて厚い方々に応援されている鰹さんは果報もんです。
よいお年をお迎えください。
☆春爺さん
こちらこそ今年もお世話になりました。「村の駅」に春爺さんが会いに来てくれた時は嬉しかったですよ。
今年もあと数時間で終わりになりましたね。春爺さんもよいお年をお迎えください。
僕は今から出かけて年越しは伊豆のどこかに潜伏しています。うししししし
ことしも残りわずかになりました。
やっと部屋を片づけをして、迷っていた柳誌も(たぶん読み返さないだろう)片付けました。
今日は、大好き「吉田類の酒場放浪記」が年末スペシャルが長時間放映されるので、
自分でつまみを用意して、昼間っからやってます。
今思えば、昨年暮れうちのじ○ん子さんを鰹さんに紹介できて良かったと思います。
海老名のた○みさんのお陰で、ご縁が広がりました。
鰹さんのこと、老津神社と大雲寺によ~くお願いしておきますね。
よいお年を!!
☆高柳暇雲さん
あけましておめでとうございます。健やかでいいお正月を迎えていらっしゃいますか?僕は西伊豆の温泉で年を越しました。(ホテルのパソコンからアクセス)
今日はのんびり海を見て過ごした後、カーフェリーに乗って静岡市まで戻る予定です。
本当に、一昨年秋にた○みさんが閑雲さんを紹介して下さってから濃~いお付き合いをして頂いて、またそこから新たな知人が増えたりして嬉しい限り。
今年まずエポックは豊橋番傘記念大会ですね。スタッフ大忙しでしょうが頑張って下さいね
カツオちゃん・・・起きてるな?? 今年も「一歩前進」「三食完食」「八州制覇」の目標で頑張り過ぎないで下さい! まずは「謹賀新年」です!
☆信ちゃん
結局朝食を食べてからチェックアウトぎりぎりまで寝てました(笑)
いい天気でしたのでフェリーからの富士山も綺麗でしたよ。
信ちゃんの年賀状、羽生選手の絵も素敵だけど句が素晴らしい!!!
爆笑でした。
新年明けましておめでとうございます。
正倫が今年もますます川柳会で活躍する事を願っています。
☆コバ
あけましておめでとう。ラインの家族写真見たよ。
そちらも穏やかなお正月を迎えているようでヨカッタヨカッタ。
川柳会でまだまだやるべきことはいっぱいあるんだけど健康面で心配だなあ。
とりあえず後継者に渡すバトンを用意しなくっちゃね。