Welcome to Senryu Kenkyusya
川上三太郎の句会 身の底の底へ灯がつく冬の酒 川上三太郎 三太郎川柳には二刀流といわれる二面性、つまり伝統川柳と純詩性川柳がありました。新しい革新的川柳に傾倒した川柳作家が犇いていました。しかし新人が器用ぶった革新川柳を作っても決して受け入れませんでした。川柳はあくまでも伝統を踏まえた上で詩性、革新句が出来たのならそれはそれで評価をされました。 川上三太郎が「国民川柳」を創設したのは昭和5年ですが、9年には「川柳研究」と改題しました。昭和19年9月太平洋戦争末期、169号で火災のため休刊となりました。「川柳研究」が関口六佳史などの尽力により復刊したのは昭和21年12月15日でした。これを復刊第1号として、平成11年12月号を「復刊600号記念号」として特集を組みました。平成12年は川柳研究社創立70周年川柳大会を9月17日築地本願寺で開催、合同句集も出版しました。平成17年には創立75周年を迎えます。 ![]() |
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「川柳研究」 編集発行 津田 暹 ■体裁ほか A5判/約60頁 購読 500円(送料込) 半年 3,000円(送料込) 1 年 6,000円(送料込) 毎月 15日発行 ■主な内容 川柳研究作品・吟詠(会員作品)・新雑詠「パドル」/連載・柳界の片隅から 新万寿郎/温故―ありし日の川柳研究を繙いて 安藤紀楽/ぶらり千駄木 河合成近/新人教室/句会報ほか |
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パソコンの指で時世に触れている | 新 万寿郎 |
火の海を渡る一途な少年期 | 荒巻 睦 |
波の音地球の鼓動かも知れぬ | 安藤 紀楽 |
無人駅風はこんなに話好き | 飯田 昭 |
婚約も破局もジョークだと思う | いしがみ鉄 |
いじめからSOSが届かない | 井上 文子 |
ローソクの残り寿命を見るような | 印牧さくら |
母が居る日の水音が温かい | 宇都 幸子 |
誰がために生きるにあらじ鉦叩き | 太田 剛道 |
雲描いて幸せごっこでもするか | 木村 木念 |
後遺症みんな曳いてるさりげなく | 近藤 智子 |
かなわない夢あっさりと子らは捨て | 斎藤 弘美 |
遺伝子が続く産着を縫っている | 斉藤由紀子 |
子も孫も友も夫も地球人 | 佐藤 良子 |
天ぷらの鍋に会話を盗まれる | 四分一周平 |
残された時間の重さ自認する | 鈴木 清子 |
シンクロの妙技足にも顔がある | 鈴木 国松 |
善悪の模様を編んでいる轍 | 鈴木 泰舟 |
華やかなママが好きです嫌いです | 高田 羅奈 |
束縛の無い淋しさへ貘を呼ぶ | 竹内 孤雁 |
栄光のワイン血の色炎の匂い | 竹内 祝子 |
ほどほどの気配り嫁という他人 | 立原 早苗 |
朝食のメニューのおかゆ旅で知る | 玉田登志乃 |
ホイッスル人を操るのは易し | 津 田 暹 |
遺伝子の分析ヒト科先が見え | 中沢ほう介 |
合格へ天空を突く子の拳 | 西來 みわ |
ポケットが浅くて嘘がポロポロと | 野口きぬえ |
夜目遠目亡母のあばらがきりきり降る | 野中いち子 |
倒産で夢の梯子もはずされる | 野辺ひろ枝 |
義理不義理くらしに響くのし袋 | 濱川ひでこ |
寒いことばばかり吐いてる電子音 | 林 マサ子 |
百態の風にも負けず草千里 | 廣島 英一 |
胸に棲む鬼を時々陽に晒す | 藤 あかね |
医の驕り神の領分まで侵し | 松本 悠児 |
ラジオ体操のピアノの物憂げな | 丸山 芳夫 |
無限階段上る野望の背の孤独 | 宮崎 慶子 |
縁切りの寺のうしろの深い森 | 吉岡 宵波 |
やがて止まる夕陽の中の観覧車 | 渡 辺 梢 |
結論は落ちつくことでまくら寄せ | 坂本 一胡 |
また別な自分が言葉飾り出す | 佐藤 正敏 |
酔い痴れてなお一本の葦である | 野谷 竹路 |