Welcome to Mahoroba Senryusya
我が社が、呱々の声を上げたのは、1982年の1月の事である。当時、旗上げの中心になった野村金吾・勝野みちおが同人として参加していた金沢市の「蟹の目川柳社」からのサゼッションで、出発点はその支部という形での結成であった。結成記念大会は長野市のホテルニューナガノで開催、県外からの出席者も多く僅か9名程の同人の会であったが、賑やかな結成大会となった。
機関誌名を“まほろば”としたのは、その翌年一月で、同時に「長野県川柳作家連盟」への加盟も果たした。“まほろば”とは“すぐれたよい所”と辞典類に載っているし、また一説には“山や丘などに囲まれた所”の意味もあるから、長野県の柳社としてはまさに最適と意見の一致を見たので、柳社自体も「まほろば川柳社」と改称することとし、蟹の目川柳社とも友好関係を残すだけとなった。 |
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「川柳まほろば」 編集発行責任者 事務局 役員・主幹 勝野みちお 副主幹 吉平 一岳 ■会費 1 部 250円(送料込) 1 年 3,000円(送料込) 毎月 25日発行 |
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地球儀のどこかで血迷う有刺線 | 田中芙美郎 |
眠ってる樹だ切り口が血を噴かぬ | 武田 綺声 |
これは最後の情 呼吸器を外す | 吉平 一岳 |
愛互角どちらの水が甘いやら | 越川 智慧 |
心音が虹へ虹へとにじり寄る | 桜井 心酔 |
田畑売り五穀豊作まだ祈る | 阿部 絹雄 |
控えめに咲く暖冬のシクラメン | 石田 天山 |
棘のある言葉が刺さるゆで卵 | 小野 しま |
今ここで狂えば雪となるばかり | 水橋 秋子 |
残照へ生きる明日のネジを巻く | 島田 たづ |
権力を握ると仮面はげて来る | 北原美津子 |
唇の火傷へ挽歌刻む冬 | 山宮 風子 |
本心を聞かずに積んだピラミッド | 片岡 健治 |
一線を退いて人間とり戻す | 新井じろう |
猜疑心無口になってゆく乳房 | 小泉 柳香 |
円高に弱い私の処方箋 | 吉平 淳也 |
火種抱く可愛ゆく老いる術として | 宮村百々子 |
逢った手の温み日記に折りたたむ | 高橋 きみ |
運命線運河の中に浮いた木偶 | 片岸てい一 |
媚を売る花屋の花は饒舌で | 山崎美和子 |
白髪もサンバにのって身を焦す | 宇野 悦子 |
母の樹という樹があって冬の坂 | 勝野みちお |