Welcome to Senryu Kainosya
![]() その目的は「庶民文芸としての川柳を愛好し、研修を深めると共に、よい川柳の普及と新人育成を目指し、又、各吟社および柳友との交流もはかり、みんなのための柳誌としてひろく明るく楽しく進む」という趣旨で歩んできた。甲斐野の作風は、所謂、中道を標榜し今日に至っている。これからもこの道を指向して行く。 誌名の由来は「甲斐の武田信玄」というように「甲斐」は山梨を表わし、「かいの」と読む。表紙の絵も当初は名産の葡萄で、その後、富士山に替えたが、いずれも評判がいい。 選者は14名の内、毎月2名宛、交替にて雑詠作品の選に当たる方式を採っている。題詠一題を毎月募集し、又、月例句会と、年1回甲斐野県下川柳大会を開催している。 毎年9月には、山梨の柳祖とも言うべき、初代・篠原春雨、二代・中沢春雨両師の業績を称え、敬慕の念を表わすために「川柳春雨賞」作品を県下より募集、優秀作品(作家)を表彰する。秋・10月には、春雨両師の墓参句会を催すことを恒例としている。 毎月の柳誌発行は、発行人・鈴木東峰、編集人・原田建二、編集室・井上信太郎、会計室・坂田よしえ、四名の代表同人ならびに15名の編集同人の手による。 (鈴木東峰) |
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「川柳甲斐野」 発行人 鈴木 東峰 編集人 原田 建二 ■体裁ほか A5判 約40頁 誌 代 年額8,400円(1部) 後援同人費 年額14,000円(2部) 同人費 年額14,000円(2部) 毎月1日発行 ■主な内容 甲斐野集 各地句会 川柳あしあと30句 課題詠ほか |
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天翔ける夢を鶏失わず | 加藤 當百 |
ふるさとの絵には枯れない花がある | 玉島よ志子 |
受けて立つ肚が決まって渡る橋 | 中込 粋柳 |
耳栓を外して聴こう好い話 | 古屋 一福 |
空も野も子供の色になって春 | 近藤 紫風 |
一本のワラあるうちは諦めず | 加藤 心美 |
群狼に安い首輪がかけてある | 佐藤 圭柳 |
根の浅い杭が背伸びをして困る | 中村 雲龍 |
作業場の父の後ろに子が居ない | 有泉 湖柳 |
旗色は読まず男の道を決め | 井上信太朗 |
トルソーが手足探しの旅に出る | 飯島 紫峰 |
這い上がる掌は一粒の麦掴む | 向山 あや |
特攻の町観光バスで行く平和 | 諏訪 鬼生子 |
子に残す蔭日向なき母の辞書 | 坂田よしえ |
何処までが自由 山頭火の小径 | 寺本 照枝 |
原爆忌ドームは癒えぬままの貌 | 深沢 染峰 |
汗の道 節くれている懐古録 | 山寺 美琴 |
幸せな切符 夫婦の樹が繁る | 渡辺よし美 |
戦の血もう吸わせまい此の大地 | 井上 静詩 |
音信のない日金魚の緋に和み | 佐野 越子 |
友癒えし日へ美しき逆さ富士 | 本田千恵子 |
春の陽にキラリ真珠のはにかみ | 野村 敏子 |
ペン持てば気軽に嘘を書くあなた | 千野 典子 |
未来図を見せてはくれぬ走馬灯 | 斉藤 栄泉 |
会社では下積みだから住む二階 | 斉藤 一峰 |
相槌を打てば冷たい眼と出合い | 小原 千春 |
矢も楯もたまらず母の応援歌 | 渡辺 鶴恵 |
女の火抱いて浮き橋そっと踏み | 土屋やすよ |
ガラス越しの愛を信じた冬のばら | 原田 健二 |
矢文など飛ばせてみたい春の恋 | 鈴木 東峰 |