《見納めは医者の鼻毛の二三本 (廣司・作)
先日、お茶のみ仲間と川柳で遊んいて、「辞世の句」をみんなで詠んでまして。どうですか?
上手だけど、じーじー、テーマが暗い。
そんな感じでひとつの課題に対してみんなで川柳と作ることを「課題吟」、とか「題詠」って言うんだよね。
そう、だいちゃんは何でも知ってるのね。(なでなで)
はあっ! また、だいちゃん、誉められて・・・・ああああああ。
そうなのよ、川柳は大きく分けて、テーマを決めて詠む「課題詠」と、自由に詠む「雑詠」の二つがあるの。
ほう。じゃあワシらがやっていたのは「辞世」という課題詠なんですね。
よく新聞や雑誌で企業が募集する川柳は、ほぼ「題詠」です。
なにせ、題があったほうが川柳は作りやすいですからね。
そうかなぁ。いきなり「『辞世の句』を詠め」なんて言われたら、ボクは作れないなぁ。
それは、まだ、だいちゃんがまだまだ毎日元気いっぱいで過ごしていて、「死」について考えたことがないからよ。
もっと身近な題材なら、そんなことはないわよ。
じゃあね、例えば「くつ下」なんかどうかしら。
《くつ下に入りきれないぼくのゆめ (りょうすけ・作)
《水虫は父のくつ下からうつり (公太郎・作)
どう?
あはは、おもしろい句があるね。これなら僕にもいっぱい作れそうだよ。
《くつ下をぬぐとよろこぶ土ふまず (夏希・作)
《くつ下の二枚重ねはもう年か (美咲・作)
よ〜し、私も負けずに挑戦!
《くつ下で気合いがわかるコギャルたち》
どう?
ワシも出来ました。
《くつ下はいつも三足500円》
ははは、ひではるさんらしいわね。だけど、二人とも、もっと良い句ができるはずよ。
インターネット句会の過去の入選句を見て、もっともっと勉強しましょう。
えっ! そんなのあったっけ? ワシ、見たことない。
・・・・・ココ、見てください。
おおお、ホントじゃ。あるある。
じーじー、ちゃんと、勉強しないと。
見て勉強するのも大切だけど、作って応募することも忘れたらダメなのだ。
よ、よし・・・今から行ってくる!
いかがでしたか?
次の講座は【親近感のある川柳】についてです。
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酒造メーカーさんなら「酒」、和菓子屋さんなら「まんじゅう」、という具合に、一般に公募される川柳のほとんどはこの「課題吟」と呼ばれるものです。
この課題吟で上手く川柳を作る方法は、「課題を物理的に詠み込まず、空間で使用する」ことです。
川柳は基本、17音しか使えません。ですので、自分だけの言葉で川柳を完成させるよりも、与えられた題を利用する。そうすることで、結果的に使用した文字数が増えることになります。
例えば、課題「 愛 」なら、「憎めないあなたの顔が憎らしい(いのもっち・作)」(『あなたに贈る愛の一句』より)のように、「愛」という言葉を詠みこまないでも、その行間で「愛」を感じさせられることができます。
もっというと、「まんじゅう」という題に対し、《まんじゅうの 餡より皮が 好きなのよ》という「まんじゅう」を詠み込んだ川柳を作ることで4音使用してしまうため、自分の言葉は13音しか使えなくなってしまいます。
題は詠み込まず、題で作品の補足をさせる、これが課題吟の必勝法です。


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