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6月6日午後、作家の田辺聖子さんが亡くなりました。謹んでご冥福をお祈りします。
個人的にも、日川協としても大変残念です。田辺聖子女史のような方が、川柳を外から応援してくれる理解者がいなくなるのは、大きな損失です。川柳界は大切な後ろ盾を失いました。
田辺氏の業績としてまず挙げるべきは、道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代(中央公論社)でしょうね。平成11年(1999

)第50回読売文学賞に輝いた小説です(まだ読んでいない川柳人は、この機会にぜひお読み下さい)。
その授賞式に際して、井上ひさし審査委員長は挨拶の中でこう述べております。「文壇は川柳という文芸について不勉強であった」。まさしくその通り! 井上ひさしにこのような「反省の弁」を言わせた小説が、『道頓堀の雨に別れて以来なり』でした。
しかしながら、その後も文壇は「不勉強」のままのようです。重ねて、残念です。
田辺聖子の小説と言えば、芥川賞を受賞した『感傷旅行(センチメンタル・ジャーニィ)』ほかが有名ですが、『源氏物語』の現代語訳や、『ひねくれ一茶』(93年吉川英治文学賞)英治文学賞)を忘れてはなりません。

報道によれば、後日お別れの会が開かれるようです。大阪と東京の両方で開催されるようですが、都合を付けて小生は参加したいものだと考えております。

以下の記事は、朝日新聞電子版からの引用です。

《人生の機微をすくい取った恋愛小説や、ユーモアにあふれたエッセーで人気を集めた文化勲章受章者の作家、田辺聖子(たなべ・せいこ)さんが、6日午後1時28分、総胆管結石による胆管炎のため、神戸市内の病院で死去した。91歳だった。通夜・密葬は親族で営まれた。喪主は、弟の田辺聰(あきら)さん。後日、東京と大阪でそれぞれお別れの会を開く予定。

大阪市生まれ。写真館だった実家が戦災で焼失し、敗戦直後に父が死去した。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業後、大阪の金物問屋に就職。一家の生計を支えながら小説を書き、大阪文学学校にも通った。

1957年、女の一生を生き生きとした大阪弁で描いた「花狩(はながり)」が雑誌の懸賞小説に佳作入選してデビュー。64年、放送作家の女性と党員の男性の恋を、女性の男友達の醒(さ)めた視点でつづる「感傷旅行(センチメンタル・ジャーニィ)」で芥川賞を受賞した。

その後、鋭い人間観察をユーモアでくるんだ多くの作品を発表。恋愛小説では自立する独身女性、ドラマ化された「姥(うば)ざかり」シリーズでは老後を楽しむ女性ら、時代を先取りする人物を描いた。

「カモカのおっちゃん」のモデルとして親しまれた夫の故・川野純夫さんとの生活を軽妙につづったシリーズや、社会風刺の利いたユーモラスなエッセーも人気を集めた。「ひねくれ一茶」(93年吉川英治文学賞)、「道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府(すいふ)とその時代」(98年泉鏡花文学賞、99年読売文学賞ほか)など評論・伝記文学でも高い評価を得た。「源氏物語」など王朝文学の翻案にも力を注いだ。

2006年度朝日賞。94年菊池寛賞、95年紫綬褒章、00年文化功労者、08年文化勲章受章。NHKの朝の連続テレビ小説「芋たこなんきん」(06~07年)では、主人公のモデルとなった。》



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哀悼、田辺聖子さん”にコメントをどうぞ

  1. 上野 楽生 on 2019年6月11日 at 9:24 AM :

    田辺聖子さんの「道頓堀の雨に別れて以来なり」は素晴らしいです。
    川柳に興味がなくても、小説としても超一流だと思います。
    発売当時の単行本に心躍らせて読んだ思い出があります。
    読売文学賞受賞記念大会で、田辺聖子さんから単行本にサインを戴きました。
    今も誇らしげに本棚に並んでいます。

  2. 江畑 哲男 江畑 哲男 on 2019年6月11日 at 9:53 AM :

    同感!、全くその通りです。
    「発売当時の単行本に心躍らせて読んだ思い出があります」。昨日、改めて飛ばし読みをしました。こちらのコメントも、有難うございました。

  3. Y.とまと on 2019年6月11日 at 10:53 AM :

    江畑先生
    おはようございます。 「道頓堀の雨に別れて以来なり」
    川柳を始めたばかりの頃、ワタシも読みました。 そこには、
    岸本水府さんを中心に、川柳への熱い想いが 感じられて
    漠然と感じていた川柳への偏見が、一掃された気が しました。
    軽やかで、奥深くもあり人間味を感じられる文芸ミタイ・と
    思ったものです・・・田辺聖子さん ありがとうございました・合掌

    • 江畑 哲男 江畑 哲男 on 2019年6月11日 at 5:31 PM :

      そうなんです。
      川柳が熱く語られていました。
      田辺聖子さんならではのペンタッチでしたね。

  4. on 2019年6月11日 at 4:22 PM :

    「道頓堀の雨に別れて以来なり」は平成10年の3か月の入院時に妻が買ってきてくれた本です。初めての川柳書、しかも「下」だけでした。東京みなと番傘で岸本吟一先生にお会いし、改めて「上下」を読み返したのを思い出します。大正から昭和期に活躍した柳人たち、もう一度読み返してみようと思います。

    • 江畑 哲男 江畑 哲男 on 2019年6月11日 at 5:34 PM :

      ほほ~っ、そうでしたか。入院中の読了でしたか。奥さまに感謝・感謝ですね。
      岸本吟一氏に、みなと句会でお目にかかった。もう、晩年の頃でしょうか。
      有難うございました。

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