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下記は、いずれも磯田道史氏の解説である。いまBSチャンネル等で引っぱりだこの先生だ。
仰るとおり、たしかに、面白い。
〈大学生は面白いことに、大学教授の本よりも司馬遼太郎さんの本を多く読んでいます。しかし、大学の歴史講義では「あれは文学」とされて、教授と学生が司馬文学について語り合うことは、まずありません。〉
〈たとえば一般的な小説では、主人公の性格が明るいか暗いかとはっきり書くより、明るい面もあれば暗い面もあるというように、人間の抱える矛盾を描くことが重要視されます。しかし、司馬さんの場合は、信長という人物の内面を描くより、信長という存在が与えた社会的影響を明らかにするほうが大事でした。〉
〈ですから、あえてその人物の性格や資質をひと言で定義します。「いずれも二流の人物である」「無能であると言ってよかった」とはっきり書く。人物評価に対する言明が明確な点が司馬文学の特徴です。それで面白がられている部分があります。〉
〈ただ気づいていただきたいのは、そうした低い評価を与えられる人物は、その作品中である「役割」を与えられています。つまり、その人が有能であってはいけない。もしかしたら軍事指揮や政治で「二流」と書かれた人物が、じつは手芸や書では一流だったかもしれませんが、そうした多様性は取り敢えず置いておき、社会に与えた影響という面で大雑把に人物を切り取るところが司馬作品のひとつの特徴なのです。〉
〈司馬さんの描く人物像を史実ではないと言う人がいますが、それは一面的には正しい。しかし先に述べたように、司馬さんは大局的な視点、世の中に与えた影響という点から、可能なかぎり単純化して人物評価していることを理解しなくてはなりません。司馬作品を読むときには、一定の約束事、言わば「司馬リテラシー」が必要なのです。〉

考えてみれば、読んで面白い小説が少なくなりました。司馬さんの大作、例えば『坂の上の雲』を読んでいた時などは、翌日の勤務があるのにもかかわらず、ついつい夜中まで読み耽ってしまうことがたびたびありました。そんな小説家って、今はあまり思い浮かびません。百田尚樹氏くらいでしょうか?

いずれにしろ、この磯田さんの解説は面白かった!

《内容》
戦国時代の下剋上、幕末維新の大転換、明治から昭和への連続と断絶……歴史のパターンが見えてくる。
当代一の歴史家が、日本人の歴史観に最も影響を与えた国民作家に真正面から挑む。戦国時代に日本社会の起源があるとはどういうことか? なぜ「徳川の平和」は破られなくてはならなかったのか? 明治と昭和は本当に断絶していたのか? 司馬文学の豊穣な世界から「歴史の本質」を鮮やかに浮かび上がらせた決定版。

《目次》
序 章 司馬遼太郎という視点
第一章 戦国時代は何を生み出したのか
第二章 幕末という大転換点
第三章 明治の「理想」はいかに実ったか
第四章 「鬼胎の時代」の謎に迫る
終 章 二一世紀に生きる私たちへ



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『「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』(磯田道史、NHK出版新書)”にコメントをどうぞ

  1. 春爺 on 2018年5月12日 at 12:05 AM :

    はじめまして・・・
    深夜に申し訳ございません。
    「ひるどき川柳」では、採用していただきありがとうございました!
    孫の春哉に音源を聴かせ驚かせてやりました~(笑)
    そのあとの川柳ステップアップ講座でのお話しも勉強になりました。
    いろいろありがとうございました。

    • 江畑 哲男 江畑 哲男 on 2018年5月12日 at 8:22 AM :

      おめでとうございました。
      わざわざブログへの訪問、有難うございます。
      もう、大変な激戦!! そのなかの大賞受賞ですから、どうぞお孫さんにも自慢してやって下さいナ。

  2. 鷹麿 on 2018年5月14日 at 10:21 AM :

    私も磯田道史の本を面白く読みました。司馬ファンとしては少し・・・でしたが。
    カズヤイシグロさんも若竹千佐子さんの作品も読みましたが、司馬小説は別世界です。
    やはり言いたくはないですが、としのせいなのでしょうか?
    それと今日の朝日朝刊で、「千利休は切腹していない」の解説が掲載されていました。
    史実がいかに人の都合で作られるか、考えさせられます。

    • 江畑 哲男 江畑 哲男 on 2018年5月14日 at 9:54 PM :

      つい先ほど、神戸から戻りました。
      えっ???、「千利休は切腹していない」ですって??? そうですか。今朝の朝日の記事はチェックしておりません。
      史実をどう解釈するかというのは、面白いですね。モチロン、人によって、時代によって、立場によって、利用されたりしたりを繰り返しているようです。
      昔々、ずいぶんと読んだ童門冬二氏なんかも、相当都合の良い解釈をしていたような記憶があります。まぁ、そこが歴史小説(=文学)の面白さでもあるのでしょう、たぶん。
      有難うございました。

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