専門家というのは、ときにその専門性ゆえに、他の要件が見えなくなるということが往々にしてあるようだ。いわゆる一票の「格差」是正を求める弁護士グループの主張などは、その典型なのではないか。以前からそんな疑問を禁じ得なかった。
22日に投開票された衆院選をめぐって、早くも同グループの活動がマスコミを賑わせている。「格差」是正を求める弁護士グループは、今次選挙の無効を求めて全国14の高裁・支部に提訴した。今回の衆院選で選挙区の格差は最大1・979倍であった。
東京高裁に提訴した伊藤真弁護士は「(地域によっては)一人0・51票の価値しかない選挙では国民の声が正しく反映されたとはいえない」と訴える。今回の訴訟では、全289の選挙区で選挙権を有する原告をすでに集めたという。手回しの早いこと。
同訴訟のグループの中心的存在・升永英俊弁護士は会見で、今夏の定数是正について「小手先だけの調整で2倍を切っても意味はない。違憲の選挙で無効だ」と相変わらず手厳しい。升永弁護士は「一人一票実現国民会議」の運動組織を率いているのだが、20年前に同組織設立以来、最高裁国民審査において一票の格差を容認する最高裁判所裁判官には「×」を付けよ、との啓蒙活動にも熱心な弁護士だ。
しかしながら、小生は考える。
それぞれの地方(各自治体、市町村や地域等々)には、それぞれの歴史と伝統と文化とが存在する。それゆえに、単純に人口比だけで割りきってよいものだろうか、と。
そもそも「平等」とは、同一条件下での平等だ。そうでなければなるまい。
弁護士グループの「論理」を敷衍すれば、便利な都会はますます便利に、不便な過疎はますます過疎化が進む。自明の理。果たしてその「論理」と方向は正しいのか?
同じ県内でも、(例えば千葉県でも)一票の「格差是正」を進めればそうなる。当然のこと。病院も遠い、コンビニもない田舎に住む人たちの生活権はこれから先、いったいどうなってしまうのか?
こうした疑問に、弁護士グループはどう答えてくれるのだろうか?
先に問題提起した少子高齢化と併せて、多面的・複眼的に考えていかなければならない問題である。そう思う。
鋭い。
この際、柳人はやめて政治評論家に。(↽冗談ですよ)
予想通りの衆院選結果でしたね、まず。
だから言ったでしょ。(↽あはは)
小泉進次郎氏については、「韓国産肥料 小泉」で検索してみてください。
食の安全が国民を守ることの第一。
あきこ様
いつも激励のコメント、有難うございます。
ええっ、政治家ですか。
ご勘弁を。
小生は、しれっと嘘がつけませんので、向いてはおりません(笑)。
(検索の件、了解!)
江畑様がご指摘の通り大変に悩ましい問題を抱えていると思います。しかし、だからといって「人口減少地域に住む方々は、人口増加地域に住む方々より、一票の価値が重くて良いのだ。」、、、ということにもならないのではないかとも思っております。
「人口減少地域に住む方々の一票の価値はその他の地域より重くあるべきだ。」ということが仮に正しいとすると、過疎地域に住む方々の一票の価値は今以上に重くあるべきだという議論も可能になりそうです。いささか極端な話になってしまいそうですが、これにも私個人としてはついていけそうにありませんです。
初めて(?)の、ご訪問でしょうか?
有難うございます。
小生の場合は、あくまで問題提起です。
どうぞ、そのようにお読み下さい。
ちなみに弁護士側は、あくまで人口比だけを問題にしております。その観点からの提訴です。その他の要件は全く考慮に入れてはおりません。
果たしてそれでよいのでしょうか?
オイラの考えは*人口比ではダメなのです、選挙なので「投票」してナンボなのです。都会のの「投票率」は40%台で「無関心」な「死に票」の墓場です、「棄権」する「票」にまで、
格差の「分母」にいれては、ダメなのです。どの「地方」も「参政権」を行使する人を「分母」としなければ・・・本来の「一票の格差」とは言えないのです。*
「オイラの考え」も、大事です。
こういった側面が多々あるにもかかわらず、人口比だけに焦点を当てて、あたかも「差別だ」、「一票の格差はケシカラン」という論調に疑問を呈した次第です。akhhyodoさんが言うように、悩ましい問題です。一部大手紙のように、単純には割りきれません。
そう言えば、わが千葉県の投票率は、たしか下から3番目だった!?(←後で調べてみます)。だとしたら、恥ずかしいことですね。すみません。
投票率の件(=補足)。
下から、徳島県(46.47%)、大阪府、兵庫県、千葉県(49.89%)、の順でした。
大兄の考え方にまったく同感!賛成です!
この一票の格差の問題が出るたびに「そんなに悔しければ、一票が重たい地方に移住すればいいじゃん!」と思うのです。移住の自由は保障されているのですから…。
こちら鳥取県はいつも引き合いに出されて「少人数で大きな国土を支えているんだぞ!」と、腹を立てています。
プラカードを掲げて抗議している弁護士連中は地方の事情など分かっていないのでしょう。
信ちゃんの指摘もスルドイ! さすがです!
いやぁ、有難うございます。背中を押された気分です。
小生としては恐る恐るの問題提起でしたが、口を開けば「鳥取県民が悪い」は無いですよね。どうやら、人口比だけですべてを割りきることに無理がありそうです。それにしても、少子高齢化といい、地方対策といい、待ったナシ、でしょう。
えっ?、「悔しかったら鳥取に移り住め!」ですか! あはははは。この台詞は鳥取県民の完司兄でないと言えません。
一票の格差は、問題がない。問題にする人は、都市部の人間で、一度地方に住めばよい。一票の格差以上に毎日の生活の不便なことがよくわかる。税金は同じです。しかし、鉄道は、JRだけです。それも、東西1路線だけです。高速道路もありません。道路も狭く危険です。しかし、この様な実体が国会に届きません。議員が少ないからです。小学校の子供で、通学に2km以上歩く子供もかなりいます。地方の人間にすれば、47都道府県議員数は同じにするのが、公平で、法の下の平等と思います。国会議員の皆さん、一票の格差の公平より、生活上の公平のほうが大事と思います。