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 総裁候補のお一人だった高市早苗さんの著書。『美しく、強く、成長する国へ。』(WAC)、一気に読んだ。
 小生の感想の前に、何人かのネット上のカスタマーレビューをご紹介する。
(Aさん)「河野さんの本はTwitterからのイメージとはずいぶん違っていてびっくり。少なくとも高市さんの方がずっと日本が好きなんだと判る。見かけた掲示板では近場の外国とか足元の市民とやらに〈極悪魔〉のような言われようだったけど、でも高市さんくらいで普通の保守なのでは? 自民党は弱々しい保守モドキなのに高市さんの元気さは頼もしい。」
(Bさん)「右派でもなく、日本にとって至極まっとうな政策ばかりが、とても分かりやすく記述されている。」
(Cさん)「総理に対して、主権者の代表として国家経営の偉大な理念を持つことを期待した松下幸之助氏。松下政経塾卒業生の中から初めてそのような期待される女性総理が誕生するかもしれない。そのように思える政治信条を述べた序章に始まる力作だった。一読の価値あり。」
……、ということで小生の読後感。
 先にUPした河野太郎氏の著書と比べると、中身が全く違う。ともかく濃い! これが第一印象だった。
 数字が多かった。それだけ政策が具体的であるという証拠であろう。ちゃらちゃらした形容詞(失礼!)は、タイトルくらいか?(笑) いずれにしろ、よ~く勉強をされていることがすぐに分かった。
具体的には、一点。エネルギー問題に絞って紹介する。
スローガンだけの「反原発」や「脱原発」は説得力を持たない。本著の57~67ページには、その旨きちんと書き込まれている。
 不思議だったのは、高市氏のペンがつねに冷静だったこと。感情的になっていないのだ。賛否両論かまびすしいこのテーマに対して、「大人の姿勢」を貫いている。この点がまず小生にはオドロキだった。(小生的理解で申せば)「自然エネルギーか?、原発か?」といった対立図式のなかで、このテーマはいつも罵詈雑言が飛び交っていた。
以下、高市氏の主張を小生なりにまとめさせて貰おう。
① 「第6次エネルギー基本計画」(素案)によれば、2030年度の電源構成は再生可能エネルギーを36~38%としている。その主力は太陽光と風力。いずれも可変動電源(季節や時間帯で発電量が変動する電源)であるため、電力供給量を調節する必要がある。火力発電を可変性調整手段として残さざるを得ず、2030年度の目標でも41%と最大の電源となっている。
② 原子力発電の活用については、国民世論が分かれており、政治的リスクを恐れて(ダメな政治家はいつもそう、引用者)、本質的な議論が進んでいない。
③ 高圧・特別高圧で安定的な電力供給が求められる産業用には、米国や英国で開発中の「SMR(小型モジュール原子炉」を活用するのが現実的であろう。
④ 2030年以降は、「SMR」の次の選択肢として、2035年までに実用化される「核融合炉」がある。「核融合炉」は仮に電力供給が止まれば反応が自動停止する。電源喪失によるトラブルがない。しかも、必要なのは水素の2つの同位体である重水素とトリチウムのみ。これらは、海中から得られる無尽蔵の燃料だ。もちろん、二酸化炭素の排出はなく、ヘリウムのみの排出になる。
⑤ 「核融合炉」関連のスタートアップは、欧米で50社。日本では1社(京都大学関連)。その研究費や投資家からの調達費は欧米と比べると2桁も少ない。政府の支援が求められる。
⑥ 「2050年カーボンニュートラル」はハードルが非常に高い。しかし、産業・医療・生活に欠かせない「安定的な電力供給体制の構築」を国家戦略として両立させたい。国の支援は、「危機管理投資」であると同時に「成長投資」になる。
 冒頭に小生が書いたこと。原発か?、自然エネルギーか?、といった二者択一的な思考を高市氏はとっていない。以上、小生のつたないまとめからも、このことがお分かりになるでろう。



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高市早苗さんの最新刊を読む”にコメントをどうぞ

  1. 刀祢館信雄 on 2021年10月12日 at 7:04 AM :

    江畑哲男先生の高市早苗さんの著書読後感を興味深く拝読いたしました。
    松下政経塾講義録は昔サラリーマン時代に発行される都度購読してきました。
    右寄りの高市早苗さんは自民党の広さと理解してきましたが、安倍さんの信頼を得ていると
    のこと、複雑な気持ちでした。改めて著書を読みたいと思っております。
    小生はペンネーム松城信作として、時事をテーマに「横書き川柳」を出版致しました。
    犬吠誌の裏表紙に先生と同じく出版社などのご厚意で10月号にも掲載されるという
    栄に浴しております。

  2. 江畑 哲男 on 2021年10月12日 at 7:15 AM :

    松下政経塾講義録というのがあるのですね。知りませんでした。
    それを現役時代からお読みになっている、学びの姿勢には敬服します。
    そうですか。横書きの時事川柳、楽しみにしております。
    有り難うございました。

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