台湾語に「七月半鴨・不知死活」ということわざがあります。
直訳すれば「七月半ばのアヒル、死活を知らず」。また「不知死活」にはもう一つの意味があり、それが「身の程知らず」です。
旧暦の七月ばと言えば、台湾では「鬼月」と言います。黄泉の国の門が年一度、七月一日に開き、末日に閉門します。
無縁仏を含めて色んな「霊」=「鬼」が、この旧暦七月の間、娑婆に戻って来きます。そして、巷では世間に戻って来た鬼を迎え、「拜拜(お供え)」するのがしきたりです。なぜなら「拜拜」しなかったら、鬼は不機嫌になり、悪さをするかもしれないから。
まだ農業社会だった時代、台湾の民家には大抵ニワトリやアヒルを飼っていました。ただニワトリは主に旧正月で「神」や「ご先祖様」に対する供物で、比較的高級な食材だったの対して、「鬼」への供物としては、よくアヒルを使っていました。
従って、鬼月はアヒルにとって受難の季節と言えるでしょう。特に七月十五日中元節になると、台湾全島文字通り大「拜拜」の時期を迎えます。昨日まで暢気に飛んで跳ねていたアヒルが、翌朝厨で文字通り「煮立て炊き立て潰し立て」の姿になっていました。これが「七月半鴨・不知死活」の謂れです。
誹風柳多留発祥の地記念碑であるアヒル像を見て、こともあろうに、以上のあらぬことを思い出してしまった。というのは柳多留250年記念句会は8/22、旧暦では7/09、そう「鬼月」の真只中だったのです。ひぇ~~!
明日は「煮立て炊き立て潰し立て」になっているかも知れない。それでも身の程知らずのアヒル一匹、今日も暢気に飛んで跳ねているさなかです。
台湾の慣習は勉強になります。
国が違えば、アヒルの運命も違ってくる。
人間も生まれた国によって、違った人生を歩む。
アヒルも人間も自分では生まれる国を選べない。
精一杯生きるしかないんですね。
楽生師匠、
いつもコメントしてくださりありがとうございます
今日も精一杯….生きていないアヒルです。
な~るほど、台湾の「鬼月のアヒル」は、欧米の「クリスマスの七面鳥」のようなものですね。
確かに、誰しも、昨日まで元気に陽気にワイワイやっていても、明日は「鬼月のアヒル」になるかもしれない。そう思うと、今の瞬間を大事に生きなければ、と反省させられます。
それにしても、「アヒル像」&「記念句会日」&「鬼月の真っ只中」という偶然は凄~い! 「君たちも油断するなかれ」という川柳さんからの警告、そして、「今を精いっぱい羽ばたけ」というエールなのでしょう。
新家先生 コメントありがとうございます
アヒル像を見たとき本当にドキッとしました。
本当は「鬼」が妬まないように鬼月はいろんなタブーが
あり、それは..①旅行するな、②宴会するな、③夜遊びするな…….
気が付けば 「鬼月や私の影に座る影」です
ツタヤで映画「KANO(カノ)」(海の向こうの甲子園)のDVDを借りて見ました。
185分(3時間5分)の長時間でありながら、全く飽きることなく最後まで一気に見ました。
それでも足りず、昨夜2度目の鑑賞をしました。
日清戦争後から太平洋戦争終了時までの占領政策にも関わらず、台湾人の親日感情の一端を見る思いでした。
東日本大震災時に台湾人の200億円に及ぶ援助も忘れることができません。
台湾と沖縄(琉球)の兄弟関係だけでなく、将来に渡って台湾と日本の信頼関係をさらに深めたいと思います。
私はツタヤの回し者ではありませんが、1人でも多くの人が映画「KANO(カノ)」(海の向こうの甲子園)のDVDを借りて見てくださることを希望します。2泊3日で486円です。安い!在庫も豊富です。
楽生師匠、再びのコメント本当にありがとうございます
KANOM、私は台湾の映画館二回で見ました。DVDも買いました
確かにいい映画です。しばらく雑用に追われていたのてコメントを気づくのに遅くなりました。ゴメンナサイ!
杜青春様
北海道の句会でのご盛会おめでとうございます。昨日八木柳雀様より、賞状と賞品が贈られてきましてびっくりです。青春選で天をいただきました。とてもうれしかったです。
ますますのご活躍記念しております。
太田先生、コメントありがとうございます
天の句表題として使わせて頂きました。
人生訓のような句でともて勇気づけれました。
前から何回も このブログ(煮立て炊きたて・・・)は拝見していましたが、また読み返してみて、思い出したことがあります。
学生時代に、一年先輩に、香港からの留学生がいました。
昭和30年代の、或る地方都市のまだ大らかな環境でのことです。
学園祭の打ち上げ会で、彼が「鶏めし」を作ってみんなに振舞ってくれました。
大鍋がないので、使い古しのアルミのの洗面器で、米と一緒によく煮込んだメシ。
「出来たぞ」という声で、みんなで覗き込むと、ご飯から突き出た鶏の足が目に入りました。
一同呆気にとられてかれの顔を見ましたが、「これが美味いんだ」と平気で丼に装ってくれました。羽根こそ取ってありましたが、寮のおばさんから借りてきた出刃包丁でぶった斬りした鶏を、米と一緒に炊き込んだものでした。
おそるおそる食ってみると、これが美味い!! 本当に美味い、美味いメシでした。
今思えば、骨ももちろん一緒で、コラーゲン満杯の栄養食だったんです。
二三日して、寮の近所で放し飼いにしていた鶏が、時を告げなくなったのに 気づいた奴がいて、みんな腑に落ちました。
古き良き時代の話でした。 合掌。
幽浮先生、コメントありがとうございます
あの鶏の足、実は香港式料理「ヤムチャ」でも定番で、名前は「鳳爪」、文字通り鳳凰の爪です。小さいころ初めて観た時は、気持ち悪かったのですが、目をつぶって食べると確かにうまい。
因みに30年小生が前留学していたころ、文化祭でも台湾料理の屋台を出しました。料理は一切やったことのない私は、屋台にいても邪魔だったので、呼び込み、客引き担当だった。未だになっても料理したことがありません。