川柳マガジンクラブ十四字詩句会 第70回例会
第70回川柳マガジンクラブ十四字詩句会が令和2年11月25日に東京都北区王子「北とぴあ」にて開催されました。出席者お世話役の井出ゆう子さん、五十嵐淳隆さんおよび植竹団扇、葛飾凡斎、沢辺祥子の各氏と星野睦悟朗の6名、欠席投句は大谷仁子、志田則保各氏の2名でした。
なお、今回から代表世話人が井手ゆう子さんに変わり、五十嵐淳隆さんが世話人をやられることになった。両氏からご挨拶がありました。
当日の句評会の自由吟及び宿題の入選句、イチゴ摘みに出された句は次の通です。
Ⅰ、句評会
句の頭の数字は互選で獲得した得点です。
ピアノ売る前猫に弾かせて ゆう子
実際にあったことだそうだが、「猫ふん
じゃった」を使った方が面白いとの意見あり。
1 元気を保つ秘訣あれこれ 仁子
2 出るに出られぬ後期高齢 凡斎
コロナ感染が怖くて、ということらしい。
2 生き様語る片減りの靴 睦悟朗
営業職かな、との意見あり。最近は「生き様」という言葉はあまり使わないので「来し方」ではどうかとの意見あり。
2 原発の町死ぬか生きるか 淳隆
5 丼にない重箱の隅 団扇
見つけにみんな驚かされた。
6 猫背気付かず時は過ぎゆく 則保
6 あの手この手で歳に逆らう 祥子
今年に入って腰痛で欠席されていてやっと
出てきた作者の句として、出席者一同なるほ
どとうなずかされた。
Ⅱ、宿題
宿題は「店ざらし」でした。句評会でトップの沢辺祥子の選でした。
〔佳作〕
1 仕舞ったままの昭和湯たんぽ 凡斎
2 西日で袖が焼けるブティック 淳隆
3 不景気な面さらす店先 団扇
4 返品の山詩集文集 淳隆
5 海岸線の減っていく砂 則保
〔秀作〕
1 善処しますでしない政官 睦悟朗
2 おーいオイ老い今日も生きてる 凡斎
3 さらされるほど値打ち骨董 団扇
〔特選〕
半分残りしける煎餅 ゆう子
〔軸〕
引き立て役と認めたくない 祥子
Ⅲ、いちご摘み
高崎句会の真似をしていちご摘みをやりました。ただし言葉が少ないとやりにくいかと思い、直前の2例、2~4句から詠むことにしました。
やり方は次のようにしました。
「句評会トップの句と宿題で特選の句の中から「一語」使って句を2句以内作る。くじで当たった方が発表する。次は発表された句とその前の句から一語使って作り当たった人が発表する。以下同様にして全員が当たるまで続ける。最後に挙手で互選する。」
票数を上に記した。」
句評会トップの句 あの手この手で歳に逆らう
宿題の特選句 半分残りしける煎餅
3 この手が悪い痴漢言い訳 団扇
0 残り物にはカビが生えてる 団扇
3 カビを好んで食べるイタリア 祥子
0 好みのシャツは少し派手気味 凡斎
1 好みの子だが電話聞けない 睦悟朗
1 真っ赤なシャツを喜寿で取り出す 睦悟朗
1 お下がりのシャツまだ引きずって ゆう子
1 好みの店は人に教えぬ ゆう子
1 黒電話から臭うコロシ屋 淳隆
Ⅳ、今後の予定
第七十一回 令和三年一月二十日(水)
北トピア 八〇七号室 宿題「悔い」
第七十二回 令和三年三月二十四日(水)
北トピア 八〇七号室 宿題「頼る」
第七十二回 令和三年五月十九日(水)
北トピア 八〇七号室 宿題「爽やか」