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川柳マガジンクラブ東京句会9月例会
9月8日(日)、駒込学園で第84回が開催されました。
お世話役はいつもの植竹団扇さん、松橋帆波さんです。出席者は小野六平太、伊藤三十六、白勢朔太郎、丸山芳夫、鎌倉大仏、唯夕、菊池順風、河野桃葉、宮本游子、加藤品子、小川正美、水野絵扇、高田以呂波、成島静枝、藤原栄子、小倉利江、白子しげる、村田倫也、佐道正、ゆめか各氏と星野睦悟朗及び新たに新聞投句でご活躍で、植竹団扇さんがお誘いした長谷川渓節さん(小平市、川柳歴約二年)でした。出席者は24名で、欠席投句は山田こいし、本間千代子、藤みのりさんの3名、合計27名でした。
1、自由吟互選と句評会
句評会は出席者が3句ずつ選びますが、結果はゼロ票10句、一票2句、二票4句、三票3句、四票1句、五票3句、六票一句、七票2句、八票1句でした。
今回も句評会の互選ゼロ票の句は掛け合いで論評しました。水野絵扇さんと宮本游子さんが担当しました。いつものように疑問を述べた人の前には?を付けます。

1・1、ゼロ票句、一票句から
 (1)わかればなるほど、という句
今回はゼロ票句が何と10句(37%)もありました。しかもそのほとんどが絵扇さん、游子さんの論評でも「わかりますがあたりまえ・それだけ・面白いとは思いますが・・・・」という感想で、中には「わからない」もありました。そしてその大半は作者の弁を聞くと、思っていたより深い中味があるが伝えきれなかったというものでした。やり取りより、その点に絞ってまとめてみたいと思います。
アルコールに浸る私のヒトゲノム  こいし
芳夫(反応の一例)「ただお酒浸りだよと言いたいだけでしょう」
作者の弁「祖父も父もお酒が好きな家系でした」
平和への祈り千回千羽鶴  睦悟朗
論評者以外に帆波「千の重なりが面白い」
作者の弁「千羽鶴を奉納するところを見ましたが意外に大きなものでした。これ一つ一つを祈りを込めて折ったと思ったら感激しました」
酒席迄話題双方孫自慢  以呂波
論評者以外では、帆波「孫川柳をどうこう言う人がいますが、子育てを離れたところで読みたくなるのは当然で一概に否定できないと思います」
団扇「乱魚さんが「可愛くない孫」という題を出されたことがあります」
作者の弁「団扇さんが先月孫が出来たと報告していらっしゃったので、団扇さんの近い将来の姿を詠みました」(笑い)
TPPお薬の髭剃らされる  大仏
論評者の二人は「わかりません」ということでした。
?の利江、品子も「わかりません」
大仏「髭の題でいろいろ考えました。作った本人もよくわかりません。(笑い)アメリカに合わせさせられるのではないですか。子供の頃(置き)薬の袋に鍾馗様か何かの髭のある顔が書いてありました」
これで大半の人が昔を思い出して納得しました。
眼裏に今も飛び交う蝉トンボ  倫也
游子「飛蚊症にしては大きすぎますね……」
絵扇「私もそう思いました」
?唯夕「私もそう思いました」
帆波「幼少期の想い出が今も残っている、ということでしょう」
作者の倫也「故郷という題で作りました。眼裏ってこんな美しい言葉を飛蚊症とは。川柳人は本当に性格が悪いと思いました」(笑い)
被災地の無念ただただ手合わせる  藤みのり
絵扇「たしかのそれしかないとは思います」
游子「2年以上たってまだ被災地の句が共感を集めるのは恐ろしいと思いました」
帆波「復旧と復興は違いますね。復興が必要なのでしょう。たしかの恐ろしいことですね」
利江「「手を合わせ」の方が良いのではないですか」
欠席したみのりが寄せたコメント「岩手県釜石市にボランティアに行きました。鵜住居(うすまい)地区の無残な状態を詠みました」
ここまで思いが至らなかった一同しばしシューン。
天災人災地球住めない星になる  利江
游子、絵扇「共感はあります」
作者の弁「大げさな句だとは思いますが、弟が越谷に住んでいて幸い被害は受けなかったものの、竜巻が近くを通りました。気温が0.5℃上がっての大変なのに日本は2℃以上上がっているそうです」
亡き人のくよしの煙目に染みる  ゆめか
「くよし」の意味がわかりませんでしたので、いろいろな声が上がり「亡くなった人の身の回りのものなどを焼いて処分することを鳥取の方言でこう言う」と説明がありました。
  注 ネットで調べたら鳥取の方言で、ごみやちりを集めて焼くこと、と
なっていました。
絵扇、游子「説明を聞いてわかり、良い句だと思いました」
帆波「生前残されたものを焼却処分している。わかればよい句です」
正「方言を使うことはどうですか」
帆波「いいとは思います。川柳家はスマホの方言辞典を契約してください」(笑い)
作者の弁「お盆に島根に帰った時に、母が要らないものを燃やしていました。それでくよしの煙を思い浮かべました」
箍屋なんて声掛けている半可通  団扇
この句は一票ですが一票入れた利江「今回は面白い句がたくさんありましたのでそれらを選びました。この句もその一つです。花火の掛け声で一人だけ浮いているのが面白いです」
游子「箍屋って玉屋の間違いなんですね。花火なんですね。やっとわかりました」
落語家でもある?団扇さんが、「古典落語で武士と箍屋が争いになり箍屋が武士の首を切って飛ばした時、周りが「たがやー」と掛け声をかけたと、いう落ちがある」ということを説明してくださいました。
(2)その他のゼロ、一票句
簡単に紹介します。
蝦蟇口につらい値上げの秋が来る  絵扇
「新聞の見出しのよう」との評がありました。
放射能汚染対策愚図と吝嗇  唯夕
論評者以外では、帆波「吝嗇という字を使ったのは面白いです」
作者の弁「このところ汚染水問題が大きく報道されています。後手などが心配で作りました」
老いて尚頼りにされる太い足  栄子
選んだ正美「健脚かも知れませんが、裏で齧られ外のある足を言っているのでしょう」
1・2、二~四票句
(1)議論が多かった句
良心が丈夫な質で敵は無し  游子
芳夫「良心が丈夫という表現が面白いです。本当は図々しい?」
六平太「よくわからないが面白い」
?倫也「自分のことを良心が丈夫、と表現するのにびっくりしました」
作者の游子「悪いことをしても悪いと感じない、誰かを傷つけてもそう思ってない人のことを詠みました」(もちろん游子さんのことではありません



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