川柳句集 帰一
編著者: 加藤当白
A5判変型ソフトカバー・114頁
ISBN978-4-8237-1357-6
句作の原点にあった感動。将来、再び感動が衝動となり、
愛おしい一句へと結実する機会が、幾度となく訪れんことを願っています。
(あとがきより)
川柳総合誌「川柳マガジン」主催の「第20回川柳マガジン文学賞」大賞受賞記念出版。
川柳界の芥川賞と呼ばれる同賞で大賞を受賞した著者が、受賞作品10句を含む代表作品を掲載。
【第20回川柳マガジン文学賞大賞受賞作品】
際限のないものと知る黒の濃さ
慰めの光度が胸に届かない
静謐を破ってしまう夜がある
音として吐けば跡形なく消える
うつむいていたから見えた靴の向き
月日とは味方あまねく春の色
あふれ出たオーラに生き方をもらう
歌いなおそう新しい弦を張る
休符からクレッシェンドになる羽音
フェードアウトするまで僕の音でいる