日常を彩る川柳と絵が共振して生まれる、世界にたった一つの17音の物語。
愛媛県西予市を拠点に活躍する川柳作家・松本宗和が、初心時代ならびに58歳から再開し現在に至るまでの約2000句から300余句までの川柳作品を吟味精選し収録した第1句集。
「出会い」「再会」「そして今」「これからも」の4章構成。物事の真実を見極める冷静な目で詠まれた句群は、読者の心を真っ直ぐに捉えてはなさない。仕事に奮闘し、家族を愛し守り抜いてきた一人の喜怒哀楽の人生が鮮やかに浮かび上がる。
巻末には著者の特技である川柳画20点が4ページを飾り、味わい深い世界が広がる。サブタイトルの愛犬とのエピソードは「あとがき」で触れられており、作句活動に欠かせないウォーキングの良き相棒として紹介されている。
白鳥を待つ少年の紅い頬
素うどんを分解するとボクになる
坂道に父の答えが置いてある
食べてからまた泣いている通夜の席
握手するだけです票はあげません
どの道も正解というラストラン
結果より努力をほめてくれる母
インタビュー泣くか笑うか決めてない
犬が来て心ひとつになる家族
春がきて一本増える笑い皺