芭蕉に学ぶ―表現力と鑑賞力を養う
編著者: 戸田冨士夫
四六判ソフトカバー・240頁
ISBN978-4-8237-1055-1
自分のいのちが消えても、消えない何か。
人生は寿命より「どう生きたか」で決まる。
芭蕉がそれを教えてくれる。
松尾芭蕉の旅の原動力は、風雅へのひたむきな思いである。芭蕉は不易流行を一句にすることを目指し、旅を続けた。
平易な言葉で深い意味を読む芭蕉作品は、現代にも通じるお手本句である。大胆・非凡な発想、洗練された作句力、構成のうまさ、巧妙なユーモア、社交的センス。その背景には、一切妥協を許さない芭蕉の表現への拘りと気迫があった。
本書は、著者が俳句結社・水鳥の会(主宰・井村経卿氏)の機関誌「水鳥」に平成16年から平成21年まで足かけ5年にわたり連載した芭蕉の紀行文を単行本用に再編集したものである。
なぜ多くの名句が生まれたのかを「野ざらし紀行」「鹿島紀行」「笈の小文」「更科紀行」「おくのほそ道」の五つの紀行文から検証することで、文学的表現法の基本と鑑賞の目を養うことを目指す。
第一章 芭蕉の凄さと選句眼
第二章 芭蕉の旅の要旨と名句
第三章 野ざらし紀行
第四章 鹿島紀行
第五章 笈の小文
第六章 更科紀行
第七章 おくのほそ道