超高齢社会を生き抜く男の愛とロマン、そして哀愁。ハードボイルドを貫きながらも、要所要所に隠しきれない人間くささ。
囲碁の世界から川柳の世界に入った著者は、唯一無二の個性を17音にぶつける。確固たる歴史観に裏打ちされた熱い心、それでいて絶妙な抜け感のある作品に定評がある。
「第一章 かぼちゃ」「第二章 アインシュタインのベロ」「第三章 ジャンバルジャン」の3章構成。著者が得意とする妻をテーマに詠んだ「カミさん川柳」も健在。静岡が生んだ“奇才”ならぬ“棋才”の句集第二弾。男の哀愁漂う、これぞハードボイルド川柳!
棍棒をたった独りで振っていた
銀行の次はパチンコ屋に入る
頷いてもらえなかった終電車
渾身の力をだしたことがない
桃缶をあけて失神してしまう
カミさんを止めるおやつを買ってくる
宇宙に届くアインシュタインのベロ