今、川柳家は句会などで、鎬を削る如く人間の生き様を具現化し世に投影している。そうした人々はその作品に於て、十七文字には拘束されつつも巧みな穿ちのある言の葉を用い、社会の有り様を捉えて創作しているようだ。そしてその芸術面に於ける功績は、恐い事の横行する新世紀の世界でも、我が国土に聳え立つものが有るかに思える。私もこの世に生きて、このかわやなぎの魔に触れ得た事を、一つの喜びとするものである。(柳言より)
短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳!
47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。
群馬を代表する川柳作家・荻原亜杏の渾身の作品群!
川柳という部屋の鍵父は開け
川柳に生き川柳に終えた父
気高さも顕わになって父の老い
疑問符へ父の高志を悟らされ
父の手が濡れていたので拭いてあげ
利く方の手で父ヒゲを剃ってみせ
饒舌の笑わせる父かつて父