猿 |
課題「猿」入選作品 |
選考/本田智彦 2016年1月募集分 |
反省の出来ない猿に負けるヒト | 野川 清 | |
猿の反省のしぐさは素直に見える。だがこれも人が訓練してしつけた動作。そのことは別にして反省のときは猿に負けると言う。この句のような同想句が多かった。 | ||
猿山のボスに学んだ生きる知恵 | みずえ | |
別府の高崎山の猿がよくテレビで映し出されるが、必ず群れのボスが出て来て一族をまとめている。人間の集団に適しているかはともかくとしてその方が平和な猿生活を保っているかも。 | ||
初心者は猿まねからと動き見る | しゅういち | |
新人は先輩のやる事なす事を見て見ぬふりをしていつしか参考にしたりまねをしたりする。この例えを猿に「ものまね」に例えたところに滑稽さがある作品。 | ||
温泉に極楽だなと浸かる猿 | 太秦三猿 | |
若者は見たい聞きたい話したい | 十六夜 | |
三猿を貫き秘書に罪かぶす | ミツエ | |
猿まねともう言わせない技の国 | 福田 和人 | |
猿まねのにわかに増えた五郎丸 | 古河よかっぺ | |
反省も土下座も猿に叶わない | みずえ | |
猿芝居やっているのは猿じゃない | 甲斐良一 | |
反省の形だけなら猿もする | 高山 登 | |
反省の猿にあやかる日記帳 | じんじん | |
一年の苦労を猿に乗っ取られ | ミツエ | |
来世では猿から進化やりなおす | 渡辺たかき | |
湯に浸かる猿の横顔ウォークマン | 住野南天 | |
三猿の逆を続けて惚け防ぐ | 星野 睦悟朗 | |
露天風呂猿が先客うっとりと | 城戸幸二 | |
狛犬のそばで臆せず猿回し | 白鳥象堂 | |
人里を食を求めて闊歩する | 綾 | |
申年の生まれと誤解される顔 | 颯爽 | |
初春へ猿百態が飛び跳ねる | わこう | |
人の世の縮図のような猿社会 | ねこママ | |
日吉丸猿と呼ばれて天下取る | 古河よかっぺ | |
三猿を育て外野の無関心 | やす坊 | |
三猿に徹し泳いだ処世術 | 久世高鷲 | |
猿回し猿がお代を無心する | 氷川の杜 | |
三猿にならず大きな目を開く | 久常三喜夫 | |
手を挙げるだけなら猿も出来ますよ | 寺林 繁 | |
生き様を変え三猿を死語にする | ゆきよし | |
猿山のサルも味わう下剋上 | 白瀬白洞 | |
私見て猿も時々笑ってる | 真田義子 | |
猿知恵は三匹いても猿の知恵 | はぐれ雲 | |
ボス猿と取り巻きがいて永田町 | 柳村光寛 | |
転ぶ芸死ぬ芸猿の哀しい眼 | 小西章雄 | |
犬猿の間柄です仲がいい | たまき | |
元旦の稼ぎ頭はなんと猿 | 松本清展 | |
ほっこりと野天の小猿毛づくろい | 佐藤彰宏 | |
いい湯だな岩風呂の猿悟り顔 | 徳島 一郎 | |
芸をする猿と社員の顔が似る | かきくけ子 | |
猿知恵にバナナボートが盗まれた | 龍せん | |
猿まねの方が受けてるこのご時世 | きぃろっく | |
浮気者アリバイいつも猿芝居 | みつはる | |
赤パンツブームを知ればサル嗤う | アズスン安須 | |
猿さえも町に出かける過疎の村 | クスクス法師 | |
三猿になれぬ私はうるさ型 | 城戸幸二 | |
しんしんと雪猿と一緒の露天風呂 | 原田正士 | |
いい湯だな恍惚顔のお猿たち | 高橋 太一郎 | |
三猿をこなす夫婦のまろやかさ | 松村 しげる | |
犬と猿キジが入れば仲良しに | パチンコ姫 | |
三猿を通して自己を見失う | すずき 善作 | |
猿知恵の嘘八百が威勢良い | 有海静枝 | |
三猿主義まもる気はない縄のれん | 上山堅坊 | |
恋のためボスの座捨てた猿もいる | 赤松重信 | |