ぬくぬく |
課題「ぬくぬく」入選作品 |
選考/本田智彦 2015年1月募集分 |
ぬくぬくが誘惑してるズル休み | 十六夜 | |
布団からなかなか抜けられない朝、外は寒い。会社に行くのを何か理由づけして休もうか。結局風邪ひいたことにする。そのことを電話する。 | ||
ぬくぬくが阻む子どもの一人立ち | 陽香 | |
ぬくぬくと育った子どもは甘えがちとなって自立心が出ないまま過ぎて行く。一人立ちするのはいつのこと。親も心配する。だが、自然とほっといても目覚めるものだ。 | ||
オレオレのドンはぬくぬく生きている | 白子しげる | |
あれほど新聞や警察で注意を呼びかけてもオレオレ詐欺はなくならない。その方法も段々巧妙になって来ている。年寄りは気をつけよう。そのボスはほくほくしている。 | ||
ぬくぬくとひだまりの中時がゆく | 沢田博昭 | |
ネズミなど無視してタマの日なたぼこ | 白子しげる | |
お詫びする社長ぬくぬく見る社員 | 太秦三猿 | |
ぬくぬくの弁当愛が詰めてある | 宮﨑 竹葉 | |
ぬくぬくと育ち世間の風を知る | きぃろっく | |
夫婦仲猫と炬燵がまるくする | 小林藤太郎 | |
ぬくぬくと鍋を囲んで旨い酒 | 上山堅坊 | |
ぬくぬくと育った過去が仇となる | 光畑 勝弘 | |
ぬくぬくで降りれず山手三周目 | クスクス法師 | |
温室を出ればたちまちくしゃみする | ねこママ | |
お尻まで炬燵に入れて昼寝する | 諸行無常 | |
出来るならぬくぬく生きていたかった | あーさまま | |
ぬくぬくと育ちましたと胸を張る | 汐海 岬 | |
ねんねんこの中でぐっすり昼寝中 | 真田義子 | |
焚き火など知らぬ子供の通学路 | 甲斐 良一 | |
立ち食いの蕎麦に温もるひとり旅 | 光畑 勝弘 | |
ぬくぬくの財布が好きな孫曾孫 | 城後 朱美 | |
離婚後は幸せ過ぎて恐ろしい | 岡 遊希 | |
起き掛けの布団が体押さえ込む | あっちゃんパパ | |
ぬくぬくと育った人だ何もせぬ | 彩古 | |
足湯してココロとカラダ温める | 瀬田明子 | |
焼いもは鞄に入れず腹にあて | アズスン安須 | |
肉まんの湯気は心も温める | かっぱ堂 | |
ほか弁で育った世代幸せか | 久世高鷲 | |
包まれる母手作りのちゃんちゃんこ | ふさゑ | |
本棚でぬくぬく休む諭吉さま | すずき 善作 | |
ぬくぬくとスマホアプリで日を過ごす | 彦翁 | |
ぬくぬくと二度寝のできる休みの日 | 龍せん | |
三が日だけは家庭があたたかい | かきくけ子 | |
おんぶに抱っこ父の遺産で蹴躓く | 松本清展 | |
坊ちゃまがお外に出ると風邪をひく | 岡野 満 | |
まあまあとコタツがオレを離さない | 甲斐 良一 | |
出来るならこのままじっと床の中 | やっこ | |
生涯をぬくぬく暮らす御曹司 | 三浦 芳子 | |
六年を左うちわか参議員 | よし江 | |
温室でぬくぬく育つ木偶の坊 | 白峯 | |
風呂の湯が無理に言わせる極楽と | 綾 | |
ほめ言葉信じた雑魚にない背骨 | 松村 しげる | |
わかってはいても出られぬ冬布団 | 西山竹里 | |
ぬくぬくと暮らした付けが腹に出る | ころのすけ | |
カマクラの中で結婚式を挙げ | 野川清 | |
ぬくぬくの芋買った日は急ぎ足 | 大陸丸 | |
天下りぬくぬく席を温める | 赤松重信 | |
ぬくぬくの二世議員が幅利かす | 佐藤綉々 | |
ぬくぬくと育ち力も金も無い | 酒井映子 | |
朝が来たぬくぬく布団出られない | ふさゑ | |
春までは女の胸に寄生する | 徳田ひろ子 | |
ぬくぬくの布団極楽良く眠れ | 高橋 太一郎 | |
団欒の家族溶け込む冬の鍋 | 永原尚文 | |
ぬくぬくの蒲団私を放さない | わこう | |