ボール |
課題「ボール」入選作品 |
選考/本田智彦
2013年1月募集分 |
アベノミクスデッドボールも視野に入れ | 加藤胖 | |
安倍総理の打ち出した経済政策、順調に進むとは限らない、投げた球が死球になるかも、それも視野に入れなければ。 | ||
一球がなんぼと弾く更改期 | 小西章雄 | |
プロ野球選手の球団との契約更改期が来る、その査定に一球がいくらという計算にもなる、それだけシビアだ。 | ||
米中のドッジボールに挟まれる | 庄次 | |
左右に別れお互いに球の当てっこをする、その競技に形容して日本は米国と中国にはさまれている。 | ||
黒だけが切れた三色ボールペン | 米本 卓夫 | |
直球をまっすぐ受けるお母さん | 坂本 加代 | |
ボーリングごろごろごろと溝を行く | 徳島一郎 | |
変化球妻が投げ出す定年後 | 船岡五郎 | |
逸れた球 親も掴めぬ 反抗期 | 嵐山 | |
仏にも鬼にも変わるボールペン | 高山 登 | |
ファールで粘りストライクを見逃す | 高橋 太一郎 | |
反抗期親のボールはまたも無視 | よし江 | |
ストライクゾーン広いが球来ない | かっぱ堂 | |
投げて打つ大志を抱く二刀流 | 辻 貴希 | |
球拾いだって明日の夢がある | みぢんこ | |
ホームラン一度はあったダメ社員 | かきくけ子 | |
マイボール上手くならないボウリング | 森野このみ | |
古希の坂ボールコロコロ止まらない | 佐藤彰宏 | |
気まぐれに投げたボールが妻の手に | 高浜 広川 | |
傘の上ボールは今日も回されて | 柳村光寛 | |
段ボール検察手入れの必需品 | 吉村明宏 | |
一か八勝ちを呼び込む変化球 | 端 河 潔 | |
あと一球コール高らか甲子園 | 井澤壽峰 | |
向かい風 味方につける 変化球 | 跡夢 | |
青春が 泡立っていた ハイボール | 跡夢 | |
始球式ボールぶつけて客が沸く | 米本 卓夫 | |
ボール蹴るルーキーの見る明日の虹 | 沢田正司 | |
砂握りリベンジ誓う球児の目 | せたあきこ | |
かみ合わずボールばかりが続く恋 | 汐海 岬 | |
結局はボール拾いで部活終え | 楠部千鶴 | |
北国にボールの弾む春よ来い | 茨木菊太郎 | |
息子から受けるボールが手に響く | きはらかおる | |
直球じゃ勝負できない時もある | 小田龍聖 | |
ゴルフよりゲートボールが似合う父 | 小西章雄 | |
人間のボール遊びは地球規模 | アズスン安須 | |
腹の立つとき直球と決めている | 米本 卓夫 | |
競り負けてボールの空気抜けてゆく | 伯林 | |
青春の汗と涙で光る球 | 鶴巻 弘 | |
恋秘めて投げたボールが戻らない | なるほどマン | |
直球しか無器用だからなげられぬ | 白子しげる | |
体罰のボール重たい体育館 | 闘句朗 | |
断捨離ができず山積みボール箱 | 鶴巻 弘 | |
スタンドのファウルに人の波がひく | 若山貞人 | |
気持ちよくボールが決まり覇者となる | すずき 善作 | |
人と猫ボールで遊ぶ本能か | 高橋 太一郎 | |
一球の遊びに泣いた負け試合 | 小西章雄 | |
始球式届かへんのに大拍手 | 日比日踊 | |
錦織の目に映ってる返す球 | 福田 カズト | |
完全試合1球がふいにする | 岩堀洋子 | |
九回の明暗分けた甘い球 | 見乗 | |
ひっそりと愛の手紙はボール箱 | 三浦芳子 | |
公園のベンチに残る鞠一つ | 上山堅坊 | |
ハイボール片手にポーズとって見る | すずき 善作 | |